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心電図読影の心構え② 心電図読影OSを脳にインストールせよ!
続きです。では、「逐一、すべての所見を挙げていく」とは、具体的にどうしたらいいのでしょう?
「何でもいいから、漏れなく読める『読み方』を決めて、ひたすらその通りにやる」
これがポイントです。
僕は、学生時代に下記リンクの書籍で勉強しました。そこでは、
R E A L Que S T In ECG(リアルクエスト in ECG)
という語呂が登場します。この語呂の順番の通りに所見を述べていくと「漏れがない」というものです。別に、これでやれ、といいたい訳ではありません。「自分にあった方法」であれば何でも良いです。
ただ、「漏れなく読める方法」というのは諸先輩方がいろいろ生み出してくれていますので、それを参考にしてみたら良いのではないでしょうか。愚直に「リズムをみて、P波→QRS→・・・・」というような読み方でも良いです。
、で、僕が今、この「リアルクエスト」で読んでいるかというと、実は「No」です(修行するときはもちろんリアルクエストで練習しました)。
左脳的に読む練習の成果で、「右脳的」に心電図が読めるようになってきたからです。
でも、3年目くらいになったときにときどき「ん、この心電図、何かおかしいな、あれ、何がおかしいんだろう?」と思ったことがあります。そんなときに、「リアルクエスト」発動です。すると、所見があぶり出されてきます。つまり「慣れてきてからでも、違和感を感じたときに、この方法に立ち返る」ことが出来るのも、こういった心電図読影プロセスを身につける大きな意義なのです。一種の「心電図読影OSをインストールする」作業です。時間はかかりますが、「研修医か学生のとき」くらいしかこういうトレーニングは出来ないと思いますので、是非頑張ってください!!具体的なアドバイスが欲しい人は是非、連絡いただければと思います!
下にあるのは、僕が学生時代にお世話になった本のリンクです。
赤い方(基本)だけでも十分ですし、循環器に興味がある人は青い方も読むと、「心電図以外」のことまで広く理解させてくれる超名著です(とにかく、「読みやすさ」が半端ないです)。
学生と先生の対話形式なのですが、「先生」が専門的過ぎないのが良いです。「臨床で役立つかどうか、というぶっちゃけの観点から解説してくれています。「心電図でここまで分かるぞ!」というような押しつけっぽい本じゃないんです。むしろ「心電図ではここまでしか分からないから、他の検査も参考にね」というスタンスが本当に臨床家っぽくて気に入りました!