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今から来年度看護国試に備えたい人へ〜114国試解説④
【第114回 午前 問28】
胸管について正しいのはどれか。
集めたリンパを左鎖骨下動脈に注ぐ。
右側の頸リンパ本幹と合流する。
毛細リンパ管網である。
乳び槽から始まる。
【背景テーマの解説】
胸管は体内最大のリンパ管で、全身の約3/4のリンパ液を集めて静脈系に戻します。その走行と構造を理解することは、がんの転移経路や浮腫の理解にも重要です。
【選択肢の考察】
×1. 左鎖骨下静脈に注ぎます。動脈ではありません。
×2. 左側の頸リンパ本幹・鎖骨下リンパ本幹と合流します。
×3. 胸管は太いリンパ本管です。毛細リンパ管網ではありません。
○4. 第1-2腰椎レベルにある乳び槽から始まります。
【正答】
4
【セットで押さえよう!】
胸管は乳び槽から始まり左鎖骨下静脈に注ぐ
右上半身のリンパは右リンパ本管を通る
乳び槽には消化管からの脂質(乳び)が流入する
胸管は縦隔内を上行する太いリンパ管
理解できたら、過去の類題にもチャレンジしよう!
【第98回 午後 問18】&【第101回 午前 問27】
リンパ系について正しいのはどれか。
リンパ管には弁がない。
吸収された脂肪を輸送する。
胸管は鎖骨下動脈に合流する。
リンパの流れは動脈と同方向である。
【背景テーマの解説】
リンパ系は、組織液の回収と脂質の輸送を担う重要な循環系です。特に小腸で吸収された脂質は、リンパ系を介して血液循環に合流します。これは門脈を経由する糖質やアミノ酸の経路とは異なります。
【選択肢の考察】
×1. リンパ管には弁があり、逆流を防いでいます。
○2. 小腸で吸収された脂肪(脂質)は、リンパ管を通って運ばれます。
×3. 胸管は左鎖骨下静脈(静脈角)に合流します。
×4. リンパの流れは静脈と同方向(末梢から中心へ)です。
【正答】
2
【セットで押さえよう!】
小腸での栄養素の吸収経路:
脂質 → リンパ管 → 胸管 → 左鎖骨下静脈
糖質 & アミノ酸 → 門脈 → 肝臓
リンパは静脈と共通点が多い
リンパ管には弁があり、逆流を防止
リンパの流れは末梢から中心方向(静脈と同方向)