Ambasciata d'Italia in Tokyo#2 (2019.06.06)
門を潜ると、はじめに守衛による検問を受けた。検問と言っても、パスポートを見せ予約している旨を伝えるだけだが。日本語も通じた。
実は雑談をした彼女は、予約せずに来ていた。可哀そうだけど追い返されるだろうと内心思っていたが、その場では帰らされず、どいて待っていろと言われていた。私は何か申し訳ない気持ちになったが、スマホをロッカーに預け建物に入った。
中に入ると、ガラス張りの窓口の向こうに審査官が2名座っていた。私は男性の審査官(’もう1名は女性)に持参した書類を提出した。
「1年以上滞在しますか?」
ただ一言そう聞かれて、はいと答えた。すると、上官に確認するからと言われ、暫く席で待つように言われた。結局何を確認したのか最後まで分からず、このせいで1時間半程待つ羽目になったが、おかげで様々な人間模様を観察することができた。
先ず予想していなかったのが、外国人が多いということだ。半数近くが外国人だった。個別のブースになっている訳ではないので、申請者と審査官との会話が筒抜けなのだ。
中でもこの日一番のハイライトが、とある外国人の女の子と女性審査官とのやりとりだ。留学する個人は預金通帳を提出し、イタリアでの生活資金に問題がないことを示す必要があるのだが、通帳を見せられた審査官は次のように言ったのだ。
「79円しか入っていない通帳を見せられて、私にどう判断しろと...」
声には出さなかったが、思いっきりニヤケてしまった!確かに、難しい判断を迫られましたね(笑)彼女にはきっと別の口座があるんだろうけど、それにしてもチャレンジ精神旺盛でイイね❢❢
因みに、彼女は申請自体はできたようだ。最終的にビザが発効されるかは分からないが、彼女に幸あれ!
そうこうしているうちに、門の前で雑談をした彼女が入ってきた。この日は人がいっぱいで、結局彼女は帰らされてしまったが、予約せずに来ても対応してくれる可能性はあるみたいだ。意外に懐が深い。
私が1時間半待った原因は企業の一括申請だ。ネットの情報では30分程度で終わるはずだったのに。何人もの人が入れ代わり立ち代わり申請していた。その間に指紋を採取したり、資料の修正を命ぜられたり、金沢在住なのに何故大阪ではなく東京に来たのかと聞かれたり...。金沢は微妙過ぎて分からん(笑)
どうやらこの企業はスポレートに何人もの技術者を送り込むみたいだ。全国から50~60代と思しき男性ばかり集めて、現地に派遣する企業って一体どんな企業?と思っていたところ、漸く自分の申請処理を始めてくれた。
1、2個記入不足を指摘、その場で補記を命ぜられたが、処理自体はスムーズに終わった。担当してくれた方が理解のある方で本当に良かった。これもありがたいことに、イタリアと日本の間の取り決めで、ビザの申請料は0円だった(外国の方はいくらか払っていた)。
大使館を出た後、2週間後にもう一回来るわけだが、記念に近くの坂を写真に収めた。私の同い年の従兄と同じ名前だったのだ。後で本人から聞いたが、その坂の名前になった人物が彼の名前の由来でもあった。
これまた同い年の血の気の多い親父達から生まれた、ひ弱でガリの自分とガリガリの従兄。無事ビザが下りたら、モロい絆を深めるべく、久しぶりに飲みに行きたいと思った。
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