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サントリー美術館とナイトロコールドブリュー (2019.05.05)

サントリー美術館にて現在開催中の「information or inspiration ~左脳と右脳でたのしむ日本の美~」を鑑賞してきた。皆考えることは同じで、美術館のあるミッドタウンは人で溢れていたが、美術館自体はさほど混んでおらず、ゆっくり楽しめた。

この展示は1度で2度おいしいをコンセプトに、1つの作品を左脳ルートと右脳ルートで別の角度から2度楽しむ構成となっている。一緒に行った妻曰く「よく考えられている。既にある所蔵品を、見せ方を変えることで付加価値を与え、再利用している」

なるほど、確かにそうかも知れない。私は難しいことは分からなかったが、今回の展示は楽しめた。プロデューサー 佐藤オオキ氏のアイコンチックな絵が秀逸なのだ。蓮とか徳利とか、シンプルに描いているけど、実によく特徴を捉えている。彼の絵は展示作品ではなく、それを説明するために描かれているのだが、自分としてはこちらの方が楽しめた。

ちなみに、黒漆のコーナーでは「ウルシオールがラッカーゼの作用によってキノン化して水酸基を失うと、鉄イオンとの反応が起こりにくくなるため...」と説明書きがあった。ワインの登場人物たちはこんなところでも頑張って(?)いるのかと思い、期せずして楽しめた。

さて、実は今回裏の目的があった。裏と言っても何もやましいことはないのだが、それはスターバックス ミッドタウン店でナイトロコールドブリュー(窒素入り水出しコーヒー)を飲むことだ。特にリザーブ豆を使用したバージョンは、令和元年5月現在全国で数店舗しか提供していないレアものだ。

我々は美術館の帰りにミッドタウン店の2階にあるリザーブ バーに立ち寄った。そこは1階の通常店舗とは別世界の、文字通りバーという名に相応しい大人の空間だった。私は早速目当てのコーヒーを注文したが、サーバからグラスに注がれる様はまさにビールだ。別名❝ドラフトコーヒー❞と呼ばれるのも頷ける。

窒素由来のマイクロバブルは非常に滑らかで心地よく、クリーミー。水出しゆえに苦みもなく、コーヒーの旨味も堪能できる。特筆すべきは、ビールと違い最後まで泡がなくならないことだ。妻曰く「19歳のギネス」。

調べてみると、ナイトロコーヒーはアメリカ西海岸が発祥で、開発当初は安価な二酸化炭素も考えられたらしいが、コーヒーに溶け込むことで風味が劣化することが分かり、窒素に落ち着いたようだ。

窒素は非常に溶け込みにくいので、ワインの世界でも多目的に活用されているが、最近になってあのコラヴァン(CORAVIN)でも使われていることを知った。コラヴァンと言っても、オリジナルではなく日本向けのものだ。通常のコラヴァンはアルゴンを使っているが、日本では食品衛生法違反で使用できないため、代わりに窒素を使っているとのこと。

さらに調べてみると、案の定と言うべきか、ナイトロワイン(?)も既にアメリカに存在していた。Old Westminster というワイナリーが製造しているNitro Blanc だ。缶ワインでロゼタイプもあり、特許出願中とのこと。ただし、残念ながら日本には未だ輸入されていないようだ。

今回は美術館の展示も面白かったし、何よりドラフトコーヒーが美味しかった。現在改装中の最寄のスターバックスでも、リニューアル後に飲めるようにならないだろうか。暑くなるこれからの季節、絶対にまた飲みたい❢❢


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