見出し画像

4月の日本ワイン ~ココ・ファーム・ワイナリー【栃木県足利市】~

だいぶん暖かくなりましたね!
今週、はじめて地下鉄に冷房が入りました。

さて、前回ご紹介したココ・ファーム・ワイナリーさんの続報、飲んでみたリポートです!

先日、現地で今のシーズンに飲みたいワインをチョイスして購入、頑張って持って帰ってきましたよw。
輸送したばかりのワインは、香りが立ちにくくなったりするので、1週間ほど休ませてから抜栓しました。

▼左から
北ののぼ 2015
こことあるシリーズ ぴのぐり 2019
甲州F.O.S. 2019

画像1

「北ののぼ」は白スパークリング、「ぴのぐり」は白ワイン、「甲州F.O.S.」はオレンジワインです。

この3本のうち、「北ののぼ」と「ぴのぐり」は北海道のブドウでつくられています。

ココ・ファーム・ワイナリーさん(以下、「ココ」と略します)のワインは、2割が自家畑、8割は契約農家のブドウから生産していると聞きました。
なかでも関係性が強いのが、北海道ではないでしょうか。

ココで醸造責任者を約20年務めたブルース・ガットラヴ氏が、北海道に「10R(トアール)」ワイナリーを設立したのが10年前だそうです。

ブルースさんについては、「ココの醸造家だった」「今は北海道で委託醸造所をやっている」「10Rのワインはとても人気」ということを断片的に知っていました。
今回、現地に行ったことをきっかけに記事などを読んで、ブルースさんは現在もココの取締役や、こころみ学園の評議員であり、関係者であり続けていることがわかりました。

ブルースさんの「10R」とココ・ファーム・ワイナリーとがコラボレーションしたワインが「こことあるシリーズ」です。
この「こことあるシリーズ」の「ぴのぐり」からご紹介しましょう。

こことあるシリーズ ぴのぐり 2019

ブドウは北海道のピノ・グリ100%です。
ピノ・グリは、黒ブドウ(ピノ・ノワール)と白ブドウ(ピノ・ブラン)の中間=グレーで、おおむね酸味がしっかりして爽やかな印象のワインが多く、春夏におススメの品種です。
(北イタリアは爽やかですが、オーストラリアはトロピカルだったりします。)

近所の野菜の直売店に行ったところ「ふきのとう」を見つけました。
これで「ふきのとう味噌」を作って、合わせてみようと思います。

画像3

ふきのとう(小さめ6つほど)を茹でて、水にさらしてあく抜きした後、刻んで炒めて、味噌、みりん、白ワインを各大さじ1くらい(目分量)で味付け、水分が飛んだらできあがり!

画像11

塩コショウして低温調理した豚肉や菜の花、メカジキ粕漬け焼き、亀の尾のご飯などにふきのとう味噌を付けながらいただきました。

ふきのとうの苦味と、ピノグリの旨味やほのかな苦味が合って、春らしい気分になれました~♪♪♪

「ぴのぐり」の色味は、黄金に近い濃い目の黄色。香りはグレープフルーツのような柑橘と洋梨のような果実味、フレッシュな酸味に、じゅわ~と旨味が広がり、わずかに香ばしいような香りと苦味のある余韻。

素直に旨い~っ!と思いました。これが、野生酵母でじっくり発酵されたワインか!と感動さえおぼえますが、堅苦しくなく、気楽に楽しもうよ♪ という大からさがあります。

画像11

ラベルも、キタキツネの淡いトーンのイラストで、ふわりと北海道の爽やかな風を運んでくれそう。

「ぴのぐり」リピート決定です!同じ「こことあるシリーズ」の「ぴのろぜ」も試したくなりました。

甲州F.O.S. 2019

さあ、次は「甲州F.O.S.」です。
ブドウは甲州100%、「F.O.S.とはFermented on Skins(果皮の上で醗酵)の略」だそうで、見学ツアーでは醸すための益子焼の甕を見せていただきました。

画像4

こちらは、ブルースさんから醸造技術を受け継いだ、現在の醸造責任者である柴田さんの仕込みで、とても力の入った作り方をされています。

▼HP「甲州F.O.S.」データシートより

画像5

3つの方法で醗酵させてますね。すごく手間がかかっています。
3つ目の方法として、「甕で果汁を醗酵」と書かれています。この甕があの益子焼きですね。

そして、ココのデータシートは各ワインのことが本当に詳しく書かれていて、とっても参考になるんです。

画像8

▲ボトルの裏ラベルのQRコードから、データシートにアクセスできるようになっているのも便利です~!

画像6

特に、自宅でワインを楽しむために、どんな料理に合わせようかな?と思ったときに「料理との相性」が参考になります。

画像7

ここに「タンドリーチキン」とあったので、豚ヒレ肉をカレー風味で低温調理して、サラダチキンのようになったお肉とルッコラ&温野菜に合わせてみました。

画像9

▲低温調理した豚肉です。
上が塩コショウ味のバラ肉、下がカレー風味にしたヒレ肉です。
カレー風味のも、バラ肉にディジョンマスタードを添えたのもワインに合いました!
(切って盛り付けた料理の写真は撮り忘れました~。)

画像2

▲ワインの色味は、杏のようなキレイなオレンジ色です♪

香りは、ミカンやアプリコットのような黄色い果実、紅茶のようなタンニンが感じられます。旨味があって、複雑な味わい。酸味は穏やか、ややドライで、重さは中程度。
(データシートのテイスティングコメントより稚拙ですが、ほぼ同じような印象です~)

オレンジワインって、「ほぼ白ワイン」なタイプもありますが、こちらはオレンジワインの本場であるジョージアや北イタリアのような「本格的」なタイプです。
こんな本格的なオレンジワインが、日本で作られていたとは驚愕です!!!

この「甲州F.O.S.」は、「神の雫 最終章」にも登場したそうなので、どのように描かれているか読んでみたいです。


さて、いずれも手間のかかった日本ワインですが、2本とも3000円台です。(ますたやさーん🥂!)

残り1本、「北ののぼ」はまだ試していません。(こちらは5000円台)

データシートによると、「北ののぼ」は北海道のブドウをブルースさんが1次発酵し、その後、足利に輸送してココで柴田さんが2次発酵、園生さん達がルミアージュなどを行うという5年以上に渡る連携プレーでできたスパークリングワインだそうです。

GW中にでも、じっくりいただこうかと思います♪♪♪

ココのワイン達は、本当に手間をかけ、野生酵母の良さを活かし、「ブドウがなりたいワイン」になっています。

その根底には、園生さん達と自然のなかで伸び伸びと暮らしていきたいという、温かく強い想いが感じられます。

ぜいぜいさんから、昨日いただいたコメントの表現を借りると「ここのワインがまずいわけがない」です!


今回もお読みいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?