ワインへの先入観を無くすこと
ワインを知るようになると、どこの産地でどのぶどう品種を使うと、どのような味になるということが飲まなくてもある程度予測出来るようになります。
なので自分の中で明確な好みがあれば、「これは好きなタイプだな」とか「これはあまり好みじゃないだろうな」という目でワインを見るようになります。
しかしそういった先入観を無くしてとにかく目の前のワインを開けて飲んでみると、予測と違った意外な発見があるのがワインの面白いところでもあります。
なので常々私は、「先入観を無くして、とにかく飲んでみようよ」ということを伝えてきたはずなのですが、私自身先入観に囚われていたことがありました。
問屋さんからの紹介で、とあるインポーターさんの試飲会に参加することになりました。
正直そのインポーターさんに抱いていたイメージは、「安かろう悪かろう」なワインを販売し続けている業界の老舗といったところ。
気乗りせず、「付き合いだからまあ軽く切り上げるか」などと考えていたら、まあいい意味で期待を裏切られました。
一般的にワインの試飲会は、ホテルの宴会場のような部屋に多数のテーブルを並べ、そこを参加者が試飲しながら移動するというのが通例ですが、この日の試飲会は着席形式で、テーブルで営業マンと対峙しながら試飲するというスタイル。
しかも事前に私向けにこういう売り方がいいんじゃないかというシュミレーションを立て、それぞれテーマに即した内容で次々に試飲させていただきました。
オペレーション自体が素晴らしく、それだけで感心してしまったのですが、それ以上に、私が当初描いていたそのインポーターさんに対するイメージを完全に払拭するような素晴らしいラインナップ。
輸入の際にはまずそれぞれの産地ごとに価格の上限を設定し、その中でベストなワインを仕入れるというこだわりよう。
もちろん、その試飲会で購入を決定したものは多数あり、近いうちに仕入れる予定です。
先入観をなくそうと言っている自分自身が先入観に囚われていたなと、省みることが出来た経験でした。