AIでワインをオススメしてくれるということ
先日、とある大手食品問屋さんの展示会に行ってきました。
日本酒は新規の客層を取り込もうとしてパッケージングを若者ウケしそうなものにしてみたり、缶入りにしてみたりと、かなりドラスティックに新しいマーケットを開拓しようという動きが見られました。
ワインも同様にライトユーザー層を取り込もうと、感度の高い女性をターゲットにサステイナブルやオーガニックをやたら謳っているようなアプローチが多く見られました。
特に目を引いていたのが、成分分析をしてチャートの然るべき位置にプロットするというもの。
撮影NGだったので現物はありませんが、タブレットにこういう座標を載せて、それぞれ店舗で登録のあるワインを座標にプロットしてゆくという訳です。
現地では、
「凄い!」とか、
「これいいねえ!」
なんて声が数多く聞かれましたが、どこか私は冷めた眼でこれを見てました。
スーパーマーケットやコンビニのバイヤーを中心とした展示会なので、複数担当カテゴリーのあるバイヤーにとっては、「専門知識のある販売員がいなくても、タブレットが販売員の代わりをしてくれて便利だ」となるでしょうが、どうしても限界を感じてしまいます。
ワインを買う動機はそれぞれの味わいだけで決まるだけでは無く、その日の気分、ちょっとした手土産、食事のメニュー(味付けの好みで選ぶワインも変わる)などによって変わってくる訳です。
つまり、ワインそのものは成分的に分析出来ても、それを買う人の嗜好や用途は分析出来ないということ。
やはりそうなると、専門知識も大事だけれど、お客様の購入意図を察知して、当意即妙な提案の出来る販売員のいることこそワイン専門店の存在意義なのだなあと感じてしまいました。
テクノロジーは日々進化しているが、販売する人間自体はちゃんとアップデートされているのでしょうか?
信頼出来る店員さんのいるお店で会話して買い物するのも、やっぱり必要ですよね。AIと人間、どちらが優れているということではなく、どちらも必要不可欠だと思います。
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