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リッチでエレガントな高級“カリ・カベ”を飲むなら、パソ・ロブレスという選択肢は大いにあり【ホープ・ファミリー ”オースティン・ホープ”2021】94点

世界でもっともメジャーな品種ともいえるカベルネ・ソーヴィニヨンには大きく2つのタイプがある。

1つはボルドースタイル。多くがメルローやカベルネ・フランとのブレンドであり、バランスのとれた端正なつくりが特徴だ。

もう1つはカリフォルニアの濃厚スタイル。カルトワインに代表されるパワフルで豊満でゴージャスな香りと味わいが特徴だ。むろんカリフォルニアにもボルドースタイルの端正はワインはある。たとえばオーパス・ワンがその代表格だろう。

では、カリフォルニアスタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンで完成度の高いものを飲みたければどうすればいいのか。カルトワインは買うのが難しいうえに高価すぎる。安いものは豊満でリッチではあるが、エレガントさに欠けるものもある。贅沢かもしれないが、やはりリッチさとエレガントさの両方がほしい。

ホープ・ファミリー ”オースティン・ホープ” カベルネソーヴィニヨン パソロブレス

そんな望みを満たしてくれるのが、パソ・ロブレスに位置するホープ・ファミリーのカベルネ・ソーヴィニヨン。樽香が効いてリッチでゴージャス。しかしエレガントさも感じられ、ぶどうの質の高さが伺える。体感上、この品質なら2万円でも許せるが、このワインはなんと1万円を切る価格だ。94点。今すぐ飲んでもおいしいが、10年ほど熟成させるとさらにすばらしいまとまりを見せるだろう。

実はこのホープ・ファミリー、ナパ・ヴァレーの著名なワインで知られるケイマスのセカンドブランド的存在だ。ただ、圧倒的な知名度を誇るナパ・ヴァレーに対してパソ・ロブレスはまだ知られていない。だからこそ未だにこの価格で購入できるのかもしれない。

とはいえ、マイナー産地であっても価格を大幅に超えた品質のワインはすぐに見つかって価格が上がる。実際、筆者も「これはすごいコスパだ」と思ったワインはたいていその後に高騰している。見つけたそのときに楽しむのが一番だ。

いずれにしても、ホープ・ファミリーはリッチかつエレガントな“カリ・カベ”を飲みたい場合の最有力候補となるだろう。

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