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パリスの審判リベンジマッチ3位の作り手がつくるシャルドネはさすがの品質【レイミー シャルドネ ロシアンリバーヴァレー2021】91点
シャルドネに求めるものはなんだろうか。人によって違いはあれど、多くの場合シャルドネに期待するのは、白ワインとしてのバランスの良さやボリューム感、そして樽香だろう。 シャルドネはあらゆる白ワイン用品種の中でも特に万人受けするバランスの良さを持っており、果実味、酸味、苦みなどが高いレベルで共存している。味わいや香りを多角形のチャートで表現したならば、すべての要素が大きく、それでいて円に近いのがシャルドネだ。それでいてシャルドネは多くの産地で栽培されており、各地の気候の影響もそれ
リッチでエレガントな高級“カリ・カベ”を飲むなら、パソ・ロブレスという選択肢は大いにあり【ホープ・ファミリー ”オースティン・ホープ”2021】94点
世界でもっともメジャーな品種ともいえるカベルネ・ソーヴィニヨンには大きく2つのタイプがある。 1つはボルドースタイル。多くがメルローやカベルネ・フランとのブレンドであり、バランスのとれた端正なつくりが特徴だ。 もう1つはカリフォルニアの濃厚スタイル。カルトワインに代表されるパワフルで豊満でゴージャスな香りと味わいが特徴だ。むろんカリフォルニアにもボルドースタイルの端正はワインはある。たとえばオーパス・ワンがその代表格だろう。 では、カリフォルニアスタイルのカベルネ・ソー
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驚異的なコストパフォーマンス、さすがのジャン・クロード・マス【ドメーヌ・アストラック d.A.シャルドネ 2022】87点
かつて安ワインというと、「安い代わりに品質はそれなり」なのが当然だった。学生の頃に飲んだコンビニワイン、居酒屋の飲み放題ワインなどは、今思うと品質はやはり低かったと思う。当時、ワインは100%ジュースで割った“なんちゃってサングリア”の材料としか見ていなかった。 隔世の感がある。 今やコンビニワインの品質も上がり、安ワインであっても高級ワインと遜色ない品質のものがほとんどだ。細かい部分を見ればさすがに差はあるが、それをどこまで気にするか、という話である。高級ワインのレベル
シャンパーニュと同等以上の品質で狙い目、オーストリアのロゼ・スパークリング【ブリュンデルマイヤー ブリュット・ロゼ NV】92点
ロゼ・スパークリングには他のワインにはない魅力がある。まずはなんといってもその美しいサーモンピンクカラー。日本でロゼといえば桜の季節のイメージであり、ロゼワインはまさに日本人として感性がくすぐられる色合いなのだ。 そして、スパークリングであることも魅力である。特に瓶内二次発酵で作られた高品質なスパークリングワインは、適切なグラスに注ぐことで美しい泡を生む。時に鎖のように、時により合わせた糸のように、グラスの脚部分から液面へ向かって途切れることなく上り続けていく。 夕焼けの