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WSET Level3:記述問題対策⑦(天災と対策)

今回は、記述問題のうち「天災と対策」に関する、頻出問題の解き方と対策方法をまとめます。天災と対策の問題は、生産地域に関連して出題されることもありますが、普遍性の高い天災は、産地に限定されずに出題されることもあるので、個別の対応しておくとベターです。応用問題が作りづらく、簡単な問題になりがちなので、確実に得点源にしましょう。

以降、代表的な問題と、その対策方法をまとめていきます。

「天災と対策」の出題パターン

例題:過剰な降雨とその対策

ブドウ樹の成熟期の過剰な降雨は、ブドウの成熟に悪影響を与える場合がある。その影響と、生産者が行う対策について説明せよ。(5点)

解答例

  • 成熟期 ・新梢や葉の成長を続け、果実の成熟に必要な糖分が奪われてしまう

  • 新梢や葉が増えると、樹冠による陰が増えて、さらに果房の成熟を妨げ

  • 極端な場合には、根に水がしみ込んで樹が死ぬこともある

  • 水はけの良い斜面や平坦な場所に樹を植えることが対策になる

  • 排水パイプを設置し、水が根に流れないようにすることが対策になる

解説

例題は、過剰な降雨に関する問題でした。
問題文がしっかりしていて、「その影響と、生産者が行う対策」というハッキリとした指定がついており、解答しやすい問題です。聞かれたことに答えるだけなので、解き方に困ることはないでしょう。

解答も、非常に素直でテキストの「栽培環境」部分の記載だけを素直に書いています。注意すべき点は、指定されている成熟期の影響に絞って解答することです。テキストの過剰な降雨な降雨の悪影響は、①開花・結実期、②成熟期、③収穫期に分かれて記載されているので、異なる時期の影響を書いても得点にならない可能性が高いです。テキストには平文で書かれているので、整理して理解出来ていないと、的はずれな解答をしかねません。以下の対策方法を参考に、まとめを作っておくことをオススメします。

「天災と対策」の対策方法

上の例題でも解説したとおり、「天災と対策」に関する問題は、影響と対策のセットでしか出題されません。よって、同じ形式で頻出用語をまとめることが非常に有効な対策になります。

例に「過剰な降雨」をまとめるので、解答時の元ネタとして使いやすい形になっていることを確認してください。

【記載例】過剰な降雨

まとめ用のテンプレート

まとめは、書き直しができるよう、Googleスプレッドシートなどで管理すると良いと思います。(ちょっとした時間でスマホからも確認できますし)テンプレートを共有しますので、使ってみてください。

「天災と対策」の頻出ポイント

試験対策が必要な産地は、Specificationの「学習要項1 範囲 2:ブドウ畑における人的要因 」の一部です。ほとんど全てが重要ですが、省いてもいいものもあります。まとめるべき天災と対策を太字で記載します。虫害も天災の一部ですので、まとめておきましょう。

■被害の管理
霜(畑の選択、ヒーター、送風機、スプリンクラー)、凍結(土寄せ)、降雨(収獲期間)、雹(ネット、複数のブドウ畑)、 水不足によるストレス(灌漑、点滴、スプリンクラー、湛水)、日焼け(キャノピー・マネジメント)、栄養不足(肥料)

■病害虫の管理
フィロキセラ(台木の使用)、他の動物(殺虫剤、防御柵)、菌類病(キャノピー・マネジメント、殺菌剤)、ウイルス・ 細菌(植え替え、土地の消毒)

以下、Specificationより抜粋

補足

  • 上記例題は、テキスト記載の例題と、スクール講師の模範解答をベースにしています。

  • 過去の試験問題や採点基準は公表されていません。採点はロンドンの本部で行われ、講師にも明確な基準は開示されていません。よって、上の解答で満点が取れることを保証するものではありません。

  • 筆者は、一応Distinctionで合格しているので、解答例はそれなりに正しく、頻出ポイントも妥当なものになっていると思います。

質問、コメントがある方へ

質問、コメント等がありましたら、質問箱に投稿頂ければと思います。どんなご相談でも大歓迎です。

※この記事は、「WSET Level3に効率よく合格する方法」の詳細解説記事です。1つ目の記事で、試験対策の全体像をまとめているので、そちらもあわせて御覧ください。

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