ワインの使い方
WSET Level3に効率よく合格する方法をまとめていきます。
ワインに関する知識がネット中に溢れています。それをどう活用するかを考える単発のコラム記事集です。
今回は、「スパークリング・酒精強化」に関する記述問題の解き方と対策方法をまとめます。テキストで約25ページの範囲ですが、4つある大問のうち、まるごと1問はこの範囲から出題されます。その他の3問が、約180ページから出題されることを考えると、結果に繋がりやすいセクションです。しっかり得点源にしてきましょう。 以降、代表的な問題とその対策方法をまとめていきます。 「スパークリング・酒精強化」の出題パターン「スパークリング・酒精強化」とひとまとめていますが、出題されるワインのカ
今回は、記述問題のうち「サービス・保存」に関する、頻出問題の解き方と対策方法をまとめます。狭い範囲ですが、出題率は高いので確実に得点源にしましょう。 以降、代表的な問題と、その対策方法をまとめていきます。 「サービス・保存」の出題パターン例題1:抜栓の手順 解答例 適切に冷やし、泡が溢れ出ないようにボトルを揺らさない。 ホイルを剥がして、 親指でコルクを抑えながら留め金を緩める。もう片方の手でボトルの底を持ち、 ボトルを 30 度に傾ける。 親指でコルクをしっかり
今回は、記述問題のうち「ブドウ樹の生態」に関する、頻出問題の解き方と対策方法をまとめます。ブドウ樹の生態は普遍性の高く、産地に限定されずに出題されます。狭い範囲ですが、出題率は高いので確実に得点源にしましょう。 以降、代表的な問題と、その対策方法をまとめていきます。 「ブドウ樹の生態」の出題パターン例題1:植え替え 解答例 土台となる主幹部分を残して切り落とし、植え替える品種を枝接ぎ、もしくは芽接ぎする「高接ぎ」という方法を薦める この方法を取ることにより、翌年から
今回は、記述問題のうち「天災と対策」に関する、頻出問題の解き方と対策方法をまとめます。天災と対策の問題は、生産地域に関連して出題されることもありますが、普遍性の高い天災は、産地に限定されずに出題されることもあるので、個別の対応しておくとベターです。応用問題が作りづらく、簡単な問題になりがちなので、確実に得点源にしましょう。 以降、代表的な問題と、その対策方法をまとめていきます。 「天災と対策」の出題パターン例題:過剰な降雨とその対策 解答例 成熟期 ・新梢や葉の成長を
今回は、記述問題のうち「ブレンド」に関する、頻出問題の解き方と対策方法をまとめます。ブレンド問題は、出題頻度が非常に高く、出題範囲が限定的なので、ぜひ得点源にしたい問題です。 以降、代表的な問題と、その対策方法をまとめていきます。 「ブレンド」に関する記述問題の出題パターン例題1:ブレンドの効果 解答例 グルナッシュ種は、 色が淡く、タンニンが少なく、凝縮した赤系果実とスパイシーな風味がある。 シラー種は、色素とタンニンをワインに加える。 ムールヴェードル種は、黒
今回は、記述問題のうち「高級銘柄」に関する、頻出問題の解き方と対策方法についてまとめます。高級銘柄問題は、WSET Level3の学習範囲のすべての知識を総動員して解く必要があり、最も応用力が試される問題になります。出題頻度も非常に高く、受験経験者に聞くとほとんど必ず1問出題されている問題形式です。 以降、代表的な問題と、その対策方法をまとめていきます。 「高級銘柄」に関する記述問題の出題パターン例題1:高値の理由 解答例 このワインは、フランス・ボルドー地方、AOC
今回は、記述問題のうち、「大量生産地域」に関する、頻出問題の解き方と対策方法についてまとめます。ソムリエ試験では軽視されている、いわゆる安ワインの産地ですが、WSET試験では必ず1問は出題されます。よって、マイナーなアペラシオンよりも優先して対策が必要です。 以降、代表的な問題と、その対策方法をまとめていきます。 「大量生産地域」に関する記述問題の出題パターン解答例 マレー・ダーリング地区を薦める 温暖から高温の気候で、ブドウが良く熟すため 土壌が肥沃で乾燥しており
今回は、記述問題のうち、「産地と自然要因」に関する、頻出問題の解き方と対策方法についてまとめます。自然要因に関する問題は、殆どが具体的な生産地域に関連して出題されます。 テキストには、自然要因の章(5.栽培環境、6.ブドウ畑の管理)もあるのですが、そこをやり込むだけでは不十分です。自然要因の章で原則を抑えた上で、生産地の章でその原則がどのように作用するかをまとめていきましょう。 以降、代表的な2パターンの問題と、対策方法をまとめていきます。 「産地と自然要因」に関する記
今回は、記述問題のうち、「醸造」の頻出問題の解き方と、対策方法についてまとめます。醸造に関する問題は、以下の2パターンが出題されます。 「醸造」に関する記述問題の出題パターンパターン1.工程描写問題 解答例 マロラクティック発酵によるものである。 アルコール発酵後に、亜硫酸塩を加えず、温度を下げないことによって発生する現象である。 マロラクティック発酵では、ワインの持つリンゴ酸が乳酸菌により乳酸に転換される。これにより、酸味が減少し、バターやクリームのような香りが生
WSET Level3試験は、「記述問題」が特に難しいです。今回は、その記述問題の「解き方」と「対策方法」について書いていこうと思います。 記述問題が難しい理由そもそも、記述問題はなぜ難しいのでしょうか。 記述問題が難しい理由は、問題文がややアバウトで、何を書けば加点になるのかが分かりにくいからです。テキストの理解度が高い人でも、どうやったら得点になるか分からずに、アウトプットを出し切れないことがあり得ます。例を挙げた方が分かりやすいと思うので、以下で説明します。 記述
先日、WSET Level3試験にDistinctionで合格しました。筆者はJSAワインエキスパートを持っていましたが、この試験を通じて、ワインに対する理解が大きく深まり、やってよかったと感じています。 WSET Level3では、ワインの特徴が、どのような人的・自然的要因によるものかを体系的に学ぶことが出来ました。テクニカルシートを見た際に、味わいの予想が立てやすくなり、ワイン選びにも非常に役立っています。ソムリエ資格を持つ人などにもオススメしたい試験です。 試験勉強
突然ですが、チョコに合う辛口ワインってなんだと思いますか? チョコレートやバニラなどの共通の風味を持つとされる、濃くて樽の効いたニューワールドの赤ワインを想像される方もいるかも知れません。 しかし、世界のソムリエ・BEST50にも選ばれる、梁世柱氏によると、チョコに合う辛口ワインは「ありません」。 つい先日、梁世柱氏の「ペアリング基礎講座」をヴィノテラスワインスクールで受講した際にこの話を効いたのですが、これに留まらず、ペアリングについての有益な考え方が学べたので、少し
外苑前のモダンベトナム料理、Ăn Đi (アンディ)さんのペアリングコースに行ってきました。Ăn Đi は、銀座レカンなど一流店のシェフ・ソムリエを努めた、オーナーソムリエの大越 基裕氏が手掛けるお店で、ペアリングコースに定評があります。 今回は、食後感を高めるペアリングが多く、特にオフドライのワインを多用していたのが非常に印象的でした。以下でペアリングコースの内容とその感想についてまとめます。 ①「ティーリーフサラダ」と「農楽蔵:nora ponne blanche」料
ナチュラルワインと呼ばれるワインには、クラシックなワインとは異なる特有の香りがあります。好ましいと感じるものもあれば、そうでないものもあると思います。 今回は、その特有な香りがどのようにして生まれるのかを、「醸造」を軸にまとめようと思います。 私は醸造家ではありませんので、一つの参考としてお読みいただければと思います。本記事は、マスター・オブ・ワイン(MW)や醸造家さんの著作を参考にまとめたものになります。 0.ナチュラルワインの醸造工程まずは、ナチュラルワインの醸造工
「ナチュラルワイン」と呼ばれるワインや、売り文句が世間に溢れていますよね。 完全にブームのナチュラルワインですが、「ナチュラルワインしか飲みたくない」という人と、「ナチュラルワインは受け付けない」という両極端の人がかなりの数存在している印象です。 困ったことに、テーブルを囲む仲間同士でもその両極端のスタンスの方がいることも珍しくなく、ワイン選びに苦労することが増えてきました。 私個人としては、両者の好む要素や嫌がる要素はいずれも理解できる部分が多く、もっとうまくやれないもの
もし、ワインを飲み慣れていないゲストから、「酸っぱいワインが苦手で、酸っぱくない赤ワインが飲みたい」と言われたらどうしますか? 経験的に多くの方が、色が濃くフルボディのワインが第一候補に上がると思いますが、その中にも酸味が高いワインが含まれている可能性があり、私は十分な考慮が必要になると考えています。 酸味はワインに上品さやキレを与えますが、反面、ワインをあまり飲まない人が敏感に反応し、苦手だと感じやすいワインの味覚の一つです。特に今回想定したゲストは「酸っぱのが苦手」と