基本品種の一つから味わいを覚えるワインテイスティング【参考資料付き】
こんな練習方法はいかがでしょう?
白ワイン:リースリング/ソーヴィニヨン・ブラン/シャルドネ
赤ワイン:ピノ・ノワール/メルロ/カベルネ・ソーヴィニヨン
上記がテイスティングの初期に習う基本品種でしょう。二次試験での出題率も高く、それぞれの品種の個性も特徴が際立つ国際品種です。
ワインスクールによっては比較試飲といって白なら数品種を同時にテイスティングして、それぞれの香りや味わいの差異を基に品種を推察していく授業を行なっています。
実際の二次試験ではスクールほどワインが出ませんので(エキスパート受験では多くて白2種・赤2種の中で)、という比較しか本番ではできないことになります。
自分が受験した年の赤ワインはオーストラリアのシラーズとスペインのテンプラニーリョ。カベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールなら何とか判る…位のテイスティングレベルでは太刀打ちできずに二次は落ちました。
(2種類とも濃い赤のコメントですから、ほぼ同じ選択肢で選んだことも敗因かと。)
まず1品種を覚え、自分の基準点とする
次の年に向けて始めたことは、まず「冷涼な白」「濃い白」「淡い赤」「濃いな赤」それぞれ1品種を徹底的に飲んで『基点として身に付ける』という練習でした。
他の品種については、上記それぞれの基点から「酸がさらに強い」や「タンニンがもっと穏やか」などの差を自分なりにマトリクス化して覚えていくという方法を取りました。
試験まで一年近くをテイスティング訓練だけに費やすため、1品種ごとに1週間をかけて徹底的に練習しました。この週はソーヴィニヨン・ブランだけを週前半に飲み続ける、という感じです。
まず冷涼な白は『ソーヴィニヨン・ブラン』。ロワールのものを選んで毎日練習しました。グレープフルーツと言われる柑橘の香りを感じとる練習→酸の強さを覚える→一週間の終わりには他の品種と比較試飲をして、ソーヴィニヨン・ブランと比較試飲ワインとの差異が認識できるかを確認しました。リースリングはもっと酸が強いし、時間が経っても酸の強さは変わらない。シャルドネはアルコール度数がもっと高いから飲み下した時の余韻が長いなど、徐々に判ってきたらしめたものです。
次はリースリングの酸の強さをしっかり判別できるよう覚える→さらに香りの特徴としてペトロール香を探す練習をする、という繰り返しで、自分なりの品種マトリクスをまとめていきました。(下図)
香りの強弱、酸の強弱である程度の品種分布は作成できると思います。
赤ワイン品種についても同様です。
後は品種特有の香りなど、判別ポイントを身につけていきましょう
2015年からワインバーで受験生の二次対策に用いた練習方法です
冷涼白/濃い白/淡い赤/濃い赤それぞれのコメント(模範解答)を暗記する
白赤最初は淡い/濃い各1品種ずつをしっかり身に付ける
そこを基準に味わいの差で他の品種に広げていく
香りの要素で品種を絞り込む
上記は受験用資料を公開し始めた2013年頃から、受験なさる方への二次対策練習として使い始め、2015年に受験生用ワインバーとして青山にオープンしたWine bar EX (ラムチョップの有名店「ULTRA CHOP」というお店を展開する高岳史典氏がオーナー)で実践していた練習方法です。
下記から、テイスティング参考書をJSAの試験よりにアレンジした品種判別チャートと筆者が使っていたマトリクス、そしてマトリクス作成用白紙をセットでダウンロードできます。
私は甲州やマスカット・ベーリーAなど日本ワインの品種も練習に加えて飲み続け、翌年は二次試験に無事合格いたしました。皆さんも試験終了の頃には、勉強を始めた頃にわからなかった濃い赤の品種同定など容易くできるようになっておられることでしょう。
まずは一次試験突破が必要ですが、二次対策も開始が早ければ早いほど場数を踏んでテイスティングスキルの向上が図れます。
秋に練習の成果を実らせてバッジを手になさってください。