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玖想 

ゆらいだ視線のさき

蜃気楼のようにあなたが立っている

あなたにもたぶん
私はよく見えないのに


冬の寒さが
かじかんだふたりに繋(かか)っていた


寂しいのね、きっと

求めているの


、 花を


心に 蕾として零れた何か


毀れてしまう前に

掬い取って

涙の味のするそれを呑み込んだら


きっと 瞳には   春霞が写る


朝のようじゃない、くぐもった言葉
それでも

ただ、愛を。

私に見つけて欲しかったのです







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