詩 夕深 (ゆみ)
だれかが願う その景色を
わたしは 等しく紡げないのに
わたしの捨てた色溜まりに
だれかが 花をひとひら落とす
ひとと ひとをつなぐ その絃は
するりと伸びて光を張る
こころ だけの その灯り燈に
いつか、かたちを得られるように
底のない日々の
たしかな果ての手触り
わたしの先に延びる
廸の どこかに
さざめきのように写る
あなたのまなざし
きっと、たどり着けなくても
それは ともに在るのだろう
Φ
もしも、わたしがずっと
あなたを思い出せなくても
それでも、
わたしを愛してください
忘れぬように 潰えぬように
憂いのように深く、
風のように靑く
その日々を、
ただ 憶えていてください
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