闘病とは思っていない。
数年前に、卵巣がんを患った。
健康診断でもわからず、結局、自分自身でおかしいな……と思って、開業医の先生のところへ行ったら、その場ではこれ以上わからないと。紹介状を書いていただいて、開業医の先生がオススメしてくれた総合病院へ行って、その場で手術決定、あれよあれよという間に話しが進んだ。
その後、1年近くの抗がん剤治療と病気療養。
仕事も長期療養ということで休職。勤務先は理解のあるところで、本当にありがたかった。
最初はものすごいショックで……そりゃそうだ、まさか自分が……という気持ちが大きかったし……
だけど、なっちまったものは仕方ない。こうなったら、長くお付き合いしてやろうじゃないか!
という気持ちになるまで、それほど時間はかからなかった。
抗がん剤治療は想像を絶するしんどさ。
都合上、抗がん剤を投与する時間はほぼ、1日がかり。でも、今は「通い」での抗がん剤投与ができるということで、初回のみ2泊3日で、あとは「通い」。
だけどね……これがね、ホンットに、ホンットに……本当にしんどかったし、つらかった。あのしんどさ、つらさなどは経験した人にしか、絶対に理解できない。
文章にしたら、うすっぺらくなってしまうけれど、あの当時の自分自身は、とにかく、自分と向き合うことで必死だった。
執刀医でもある主治医の先生が、とにかく「いい先生」で、今でも診ていただいている。
そして、看護師さんたち、クラーク(医療事務担当)のみなさん、ヘルパーのみなさん、清掃関係の方々……みんな、とにかくいい方々ばかりで、私にとっては非常にありがたい環境の中で手術、入院生活を送ることができた。
その間に、自分の気持ちも少しずつ整理できて、抗がん剤治療に入るころには、なんとなくだが、この病気と「長く付き合っていく」という気持ちもできた。
闘病ではない。
がんという病気は、長くお付き合いしていくものだと……私は考えたのだ。
それは、主治医の先生と話しをしている間に、自分の中に生まれた考えだから、他の人に押し付けるつもりは毛頭、ない。
明るいがんサバイバーとして、仲良く、今の病気と付き合っていこうという、少しでも前向きな考えに至ったのは、経過観察中の今でも、同じ気持ちだ。
今は、がんのほかにも、睡眠時無呼吸症候群(SAS・サス)の治療も行っていて、これはまさに「なが~いお付き合い」になっている。がんの治療中に治験に参加したら、なんとSASも判明したという……いやー、もう……(苦笑)
まぁ、この先も、もう少し経過観察は続く。
闘病じゃなくて、仲良くお付き合いしていく。
それでいいと思う。