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「メタボリックメモリー」

「代謝メモリー」と呼ばれる体質の決定や変化につながる環境的要因。

「過去の一定期間の食事による栄養や食習慣といった環境的要因にさらされ、
その結果生じた代謝機能の変化が、まるで細胞内に記憶されたかのように続いている状態。」

過去の血糖コントロールの良し悪しが糖尿病治療の良否に影響を与えるといったことが明らかにされているが…..
最も有名な事例、「オランダ飢饉」。
妊娠中の母親の栄養状態が子どもにどのような影響を与え、どのように記憶されるか?

第二次世界大戦中、未曾有の食糧危機に陥ったオランダのある地域。
住民の摂取カロリーが通常の半分から1/3に落ち込んだ。
この時期に妊娠していた母親から生まれた子どもたちを調査。

その結果、予想通り、低栄養によって生まれた子どもたちの出生時の体重は低かった。
そして成人になってから肥満になりやすいことがわかった。

胎児期に、少ない栄養を効率よく利用できるように体の代謝プログラムが倹約型に変えるという「適応」が行われ、メタボリックメモリーとして記憶。

これも環境的要因によって、その後の生育や体質の決定に影響を受けたひとつの事例。

それは自分の未来だけではなく、さらに数世代にわたって影響があるかもしれないという警鐘なのかも。


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