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1人ひとり異なる「体内時計」(7)
体内時計のマスタークロック「視交叉上核(suprachiasmatic nucleus:SCN)」
ここで時計遺伝子が活動している。
そして、視交叉上核には“振り子”があって、これが周囲の環境から放たれるさまざまな信号を受け取り、1日のうちでいま何時かを体に“セットする”と考えられている。
視交叉上核が受け取る信号のひとつは光だ。
例えば、網膜が「夜だ」と信号を送ると、脳はメラトニンと呼ばれる眠りを誘うホルモンを分泌する。
光の信号を処理するメカニズムや、その結果「寝る時間だ」と体に信号を送る(あるいは送らない)仕組みは、本質的に遺伝子によって決められている。
でも、このメカニズムは環境や日常生活によって、常に変わり続けている。
更に遺伝子そのものも、環境等によって、その働き方は変わっていく。
….だから、自分の体内時計や遺伝子の使い方は、自分自身で変えていくことができる。
オーバーな言い方をすれば、「自分の人生は自分で変えていくことができる。」
その言葉が、「表現型遺伝子」を探求する僕の大きなモチベーションになっている。