一蘭でラーメンと青春を味わった話
ずるずる、どうも〜Gaです!"毎日ラーメン健康生活"なんて夢みたいなことしてみたいですけれども、流石に胃が溶けそうなので現実的ではないのでは、某YouTuberはめちゃスゴいのでは、と思う今日この頃。
先日、美容室帰りにふとラーメンが食べたくなって一蘭に寄った。平日の昼過ぎだったので学生が多く、僕は自分が学生であることを忘れ「学生が多いな…」と嘆いていた。何故学生がいると不都合かというと、学生ってよく群れるじゃないですか。友達と一緒だとテンション上がって声量もバカになるじゃないですか。僕も結構そうなのでよく分かる。ただ、一蘭といえば仕切や注文方法など独りラーメンに適した店というイメージがある。そこの雰囲気は大切にしたいよねという。当然、連れと来ることは構わないんだがあくまでこちら(=独り)側がホームなんだという強い気持ちをもって、僕はラーメン+替玉ときくらげをプッシュした。きくらげ美味すぎるんだよね。マジ必須。オーダーは基本(濃さ)・基本(こってり度)・少々(にんにく)・白青W(ネギ)・あり(チャーシュー)・1/2倍(秘伝タレ)・かため(麺)。気になる人もいるだろうから念の為ね。めちゃくちゃ普通だなとか思ったそこの貴方、うるさいんだよ。ネギ、どっちにも○付ければ白青両方乗っけてくれる神サービスを初めて知った時はシビれたよね。
通された席は運良く端っこの席でテンションが上がった。さらに隣の席には制服姿の女子高生が楊貴妃の如く可憐に鎮座しており、これは茹で卵でも追加するべきだったかと喜びに浸ったのも束の間、あろうことかその奥にも同じ制服を着た女の子が2人並んでいた。どうやら独り飯の天敵ことJK集団を相手にしなければならないようだ。楊貴妃は国境のような仕切りを容易く飛び越え、高らかな声で奥の2人と会話を楽しみながら美味そうに麺を食らっていた。仕方なく、止むを得ず、全力で会話に聞き耳を立てる僕。情けないことは分かっている。ただ年頃の女の子が複数人集まって話す内容なんて十中八九アレだろ。聞こえてきたのはそう、恋バナだ。青春だなー!!!自分のラーメンが着丼した頃には、そのあまりの眩しさに心がやられてしまっていた。
かた麺を啜る傍ら話を聞くに、どうやら楊貴妃が恋をしているらしい。丁寧に奥2人に話を振りつつも、結局は自分が惚れている男子の話に持っていく天才であった。男は"ハセトモ"と呼ばれていた。ハセガワトモヤなのか!?絶対そうだろ!!と思いながら話を聞いていると、どうやら彼は顔がイイらしく校内ではちょっとした有名人で、奥2人も入学式から認知していたとか。楊貴妃に至っては入試の時にはチェック済で既にときめいちゃってたらしい。その上、爽やかな性格で誰にでも優しいんだとか。なんだよそれ、ずるじゃん。せめて鼻毛くらい出しとけよ。そんな少女漫画にでてきそうなヤツは現実では大抵クズなので、心の中でやめとけよとどれだけ念じたことか。ごめんよハセトモ。
入店時は煩わしかった隣人達の会話が、この頃には深夜ラジオくらい聴き入っていて、もう店は早くBGMを切れと心の中で懇願するほどには話に夢中になっていた。楊貴妃曰く、ひとつ重大な問題があった。それはハセトモに彼女を作る気が無いことだ。テーブルをどんと叩き、「馬鹿なのかハセトモ!部活と恋愛の両立?受験があるから?大馬鹿野郎が!青春は"今"しか無いんだぞ!?」と叫びJKにそんなことは気にせずアタックしてこい!と背中を強く押す、という激アツ展開を頭の中で繰り広げながら僕はきくらげを頬張っていた。きくらげ美味すぎ。
話を戻すと、楊貴妃自身も顔を拝めればいいだけで、別に彼とどうこうなろうとするつもりはないらしい。ちょっと勉強を教えてもらったりなんかするくらいがいいらしい。なんともったいない。ただ、推しがいる生活が楽しいのは分かる。分かるぞ。僕にも居たよ。一緒に話してて楽しい人と、近づくのも恐れ多い拝むので充分な人、違うよな。でも聞く感じ"ハセトモ"は親しみやすそうだしワンチャンあるんじゃn…と思いかけたその瞬間、僕は衝撃の事実を知ることになる。
ところで僕の高校時代の推し気になる?やっぱ気になっちゃうよね。そうだな、芸能人でいえば有村架純とラランドのサーヤとアナウンサーの水卜ちゃんを足して3で割った感じよ。めちゃ可愛いでしょ。でもちょっと、ちょっとだけふくよかでさ、そこまで男子に大人気ってワケではなかったのよね。そこがいい!!!めちゃくちゃ清楚な感じだったんだけどさ、卒業して大学でその子はアメリカに留学してさ、結構向こうに染まっててさ、インスタに割とセクシーなストーリーが上がったりしてさ、その頃にはナイスバディになっててさ、やっと高校時代の男達が彼女の良さに気づいててさ。もう僕は古参面よ。「だろ?」って。そんな僕の元推し、元気してるかなー。
───「マジで来年も担任ハセトモがイイわ〜」
ん…?、、、、、んんん!?!?!?!?!?
あまりの急展開に啜っていた麺をスープにハイドロポンプしてしまう。ちなみにこれは嘘。いやそれにしても。あぁそうなのね、先生なのね。でもちょっと待てよと。JKと教師…?禁断の恋!?おぉ!!!一旦チャーシューをかじる。いいじゃんやっちゃえ!と無責任な応援をする頃には、僕としたことがクスクスと笑っていたのが彼女達にバレていたらしく、ひょんなことから会話に参加してしまう始末。青春な話に混ざる幸福感というまろやかなベースに、独りで楽しむタイプの静かな店の雰囲気を壊す一団に属してしまった罪悪感が秘伝のタレのようなスパイスを効かせ、まるで一蘭のスープのような気持ち。流石にやかましいか。
その3人、心做しかめっちゃ替玉頼んでるなーと思ってたんだけど、一蘭にてフードファイトしてたらしい。なんだコイツら、おもろすぎるやろ。一蘭で大食いってあらゆる面でコスパ悪すぎるやろ。とりあえず、お店にも悪いし、何よりこの状況の自分の気持ち悪さに気がついていたので、3人に応援の意を伝えてそそくさと店を出た。後になって、せっかくだしインスタだけでも繋がっときゃよかったーとも思ったが、ハセトモに悪いしな。令和に安禄山の乱を引き起こすつもりも無いしな。
いやー、それにしても久々の一蘭、美味かった!