ニンジャスレイヤーを第4部から読みはじめる/シーズン2_2「コールド・ワールド」(後)
出戻り初心者ヘッズの望月もなかです。こんばんは!
豪雨の被害がたいへんなことになっていますね。みなさまのお住まいの地域は大丈夫ですか?
ちょっと間が空いたので復習しよう!と、「コールド・ワールド」冒頭から読み返して♯4でふたたび撃沈しました。気分はぶい~んと誘蛾灯に飛びこんでいくモスキートですよ。あのほんと……読み返すと細かいところに気がついてしまって大混乱ですよね(私が)。
なかでも、ローカルコトダマ空間のシーン。
「窓の外ではナラクの赤黒狂気が渦巻いているが、マスラダ・カイ自身が扉を閉ざしてピザタキに籠ったことで『一息つける』ようになった」
ってこれ、あの、もう……ねぇ……すごい文脈をお出しされているんですが本当にいただいてもよろしいんでしょうか。私は確かにだし巻き卵を食べたいなあ!みたいなノリで「マスラダの帰るべき『ホーム』が名実ともにピザタキにならないかな~!!」的な趣旨の雑文を書きましたが、こんなに超特急でお届けしてくれるなんて思ってなくてですね……もちろん美味しくいただきますけど……大丈夫これ? 食べていい? 騙されてません?!
とりあえず後半の感想を書きます!
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前回の感想はこちらです。
【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識
・6年前に書籍第一部を3巻まで読んだところで中断。だいぶ忘れてます。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・2019年11月~2020年3月にかけてAoMシーズン1を読了。
・実況は一度だけ参加しました(20年2月の3部野球回再放送)。
【前提2】感想の方針
・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の前知識はあえて入れないようにしています。よって、単語がわからずよく混乱していますがそっと見守っていただければ幸いです。
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今回のエピソードはこちらです!
シーズン2「コールド・ワールド」(後)
あの日。運命のあの日。マルノウチスゴイタカイビルで何が起こったのか――記憶の蓋が緩みかけたマスラダは、己の内にあるナラク・ニンジャのソウルを御しきれなくなっていた。浜辺をさまよう彼に、灰色の男が手を差し伸べる。彼の名はシルバーキー。先代ニンジャスレイヤー、フジキド・ケンジの知己であった……。
♯5
「こっちかな」ゾーイは黒いオリガミを取り出した。エメツのオリガミ。光を通さぬ黒さ。マスラダは息を呑んだ。
な、なぜピンポイントでそれを。己の過去が無から突如現れるのはそりゃびっくりするでしょうな。
ゾーイちゃんとシルバーキー氏のやりとり可愛いですね。ゾーイちゃん、大人になってからシルバーキーさんに「実はあの時ちょっぴりアンタのこと好きだったんだ……ちょっぴりだけね!」と悪戯っぽく笑って晴れた朝に嫁に行きそう、嫁に行くなここにいろ俺と楽しく暮らせばいいじゃないかもう馬鹿言わないでよ「おとうさん」祝福してくれるんでしょ? という幻覚未来予想図に私は胸が掻き毟られるようですよ嫁になんか行かないでくれ!!(落ち着け)
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「おれはシトカに行く」マスラダは固辞した。「できるだけ早く確かめたい事もある」「ああ。まあ、そうだろうな」シルバーキーは頷いた。
確かめたいことってなんですかコトブキちゃんの安否ですか!? FUUUUUUUU!!
というかマスラダが「ネオサイタマに帰るつもりか」って言われて否定しないところ、地味にえぐり込むように打つべし打つべしされます。ぐっ。打撃が重い。
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「おまえ達は仲がいい」「アタシがいないと何にもできない奴だよ」「そうなのか」「そうそう」
タキさんとカイくんのことかな~~~~?
それはそうと淡々と釣りをしている二人がカワイイ。けっこう気が合う感じしますよね。
「あの男が昔の話をする事はあるか」「昔の話?さあね。あんまり……でも多分、別れた女がいるよ、きっと」
フジキドさんのこと?
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「世話になった。それを返す」
ま~~~~たマスラダくんは、すぐそうやって恩義ポイントカード発行してはスタンプを押していくんだから。(そういうところが好きです)
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寒冷クローンヤクザ…………。目が疲れてるのかな……。
そういえばコトブキちゃんって寒冷地仕様にしなくてもいつも通り動けるんでしょうか。車のエンジンですら寒冷地仕様があるわけですから、オイランドロイドにも寒冷地仕様くらいありそうですよね。
♯6
少女ゾーイには不思議な「力」がある。コトダマ空間から情報を取り出して物質化できるのだ。シルバーキーは孤児院にいた彼女を「過冬」の手から救い出し、養女として匿っていたのである。だが、「過冬」は今もゾーイを狙っていた。シュラインに魔の手が伸びる……!
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「ああ」これだけ距離が近いとアトモスフィアすらも伝わる。あれから十年も経った。その面影を感じ取ると、シルバーキーの口元は苦笑めいて微かにほころんだ。
どうしよう……。シルバーキーさん冗談じゃなくフジキドさんの昔の男っぽいんですけど……二人の間にある感情が(フジキド→シルバーキーはわかりませんけど、少なくともシルバーキー→フジキドについては)思ったより湿っぽくて大きいような気がしますよ……? マスラダの中のナラクを通して、かすかな面影を感じ取っただけで口元がほころぶの……これはヤバいですねヤバいですよ、マジですよ。十年前にどんな日々を過ごしていたんでしょうか。短いけれど濃密な日々? それとも成り行きでともに長く過ごしている間に日常が相手に侵食されていったタイプのご関係?
……これはえらいこっちゃですよ。
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ゾーイは賢い。聞き返す事は無い。緊迫した表情で、彼女は頷く。「洞窟がある。よくそこでラジオを聴くの」「後で迎えに行く」
出たよマスラダの「後で迎えに行く」!! こいつはさあ、こいつはほんとさあ、ほんっとこういうところがあるよね!!!
こういうところが好きです。
あまり忍殺では(AoM以降の世界では)見たことのないバイクvsバイクの戦闘! 楽しい!!
マスラダがバイク乗ってるぞー!!! キャッキャッ ドリフトしてー! って感じで喜んでたら本当にドリフトしたので大喜びしました。マスラダくんバイク乗れたんだなぁ……教習所とか行ったのかな……教習所に通う若いカイくんを幻視すると幸せな気持ちになれますね。いつかピザの配達して。
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グレイハーミットは凄みのある笑みを浮かべた。「だが、俺もさ……これでもそこそこ修羅場をくぐって来たニンジャなんだ。これくらいでヘバッたら……笑われちまう!」
えっだれに。ケンジくんに?
なんでこの人さっきから匂わせしてくるの?
血を飲んだり飲まれたりしたブラド・ツェペシュに対抗してるの?(わりとこんらんしている)
仮にフジキドだとしたら「笑われちまう」ってなに? フジキドさんが笑うの? いつか再会できたときに胸を張って隣に立てる自分でいたいの……? えっどういうご関係ですか……?
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「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」41
ちゃんとシーズン始まりの最初のエピソードでお約束やってくれる忍殺、安心できる。火薬たっぷりの爆発シーンに「サヨナラ」まで添えて、フルコースです。わかっていらっしゃる。相変わらず戦闘シーンはキレッキレで読んでいて心地いいです。
♯7&エピローグ
マスラダくんめちゃくちゃバイク乗りこなしていてびっくりする。雪道運転? 砂場運転? 足元悪い中でも乗りこなせるのスゴイ。これなら重金属酸性雨が降りしきっていても大丈夫ですね。いつかネオサイタマでピザの配達係して。
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マスラダがシルバーキーかゾーイかどちらかしか助けられない、となったところ、小柄な少女の方に「耐えろ」と呼び掛けてシルバーキーを選ぶところ、、、ハラハラしました。
「ゾーイ!」ニンジャスレイヤーは叫んだ。「ほんの少しだ。ほんの少しの間だ!耐えられるか!」「耐えるッ!」ゾーイはニンジャの背で叫んだ。もはや泣いていない。「すぐに行く……!」「わかってる!そいつをお願い!」
も~~このさあ~少女だからって「無能な子ども」扱いしないところ……マスラダ~~~! ほんっとさあ、どうしてそうなんでしょうね君は。もう。 SUKI!!
マスラダとゾーイは実はすごく生育環境が似ているんですよね。優しく強い義父に引き取ってもらった孤児なんですよ。だからこそ言葉にならない「同類」としての信頼感があるんじゃないかと思うんですよねここ。無意識下での共感でしょうけれど。
かつて孤児だったことのあるマスラダだからこそ、この場面でゾーイが「守るべき少女」ではなく「義父を守りたい子ども」でもある事実を見捨てずにいられたんじゃないでしょうか。 マスラダ・カイは、義父が自分のせいで殺されて孤児に戻った自分だけが世界に取り残される、なんて結末を許容できるわけがないんですよ。は~。
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シルバーキーさんへの態度を見ても、本来のマスラダって多分「こう」なんだなと感じます。興味があること以外はわりと無頓着だけれど、親切にしてもらったらちゃんとお礼は言うし、行動でも示す。
つまり、恩ある相手には忠実なまでに義で報いるタイプの貸し借りマシーンマスラダが、タキさんちに延々と居座って情報を貰い続けて「奴は借りがある」とかうそぶきながら礼も言わずぶっきらぼうな態度取ってるの……これはかなり甘えてるのでは……? と気がついてしまった望月もなかは残機をまたひとつ減らした。
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【GAME OVER】
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コンティニューしますか? はい/いいえ
→ 「はい」
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NOW LOADING……
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イーサライト・アーマーが展開し、ザルニーツァを牢獄じみた装甲から解放した。邪悪な企業鎧は彼女の持ち物ではない。
ザルニーツァさん女性だったんですね。
考えたら「ザルニーツァ」は女性名詞ですもんね。なるほどね。
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そしてエピローグでコトブキちゃん!! フェイクファーカワイイカワイイカワイイね!!
……とうきうきしていたら同じ酒場にシックスゲイツさんたちまでいらっしゃいましたよ。一瞬心配になりましたが、そういえばガーランドさん以外はコトブキちゃんと面識ないんでしたっけ。
ともあれ役者が揃い始めてシトカも波乱の予感ですね。続きがいよいよ楽しみです!!(というか次のエピソードは明らかにタイトルが『トーメント・イーブン・アフター・デス』と対になっているのでいろいろと覚悟してます……! タキさん出てこないかなー!)
ではでは、また次回の感想でお会いいたしましょう。
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次の感想はこちら。