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ニンジャスレイヤーを第4部-AoM-から読みはじめる/シーズン3_7「ヨロシサン・エクスプレス」(中)
こんばんは、AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。
二分割で更新したかったんですけど、調子に乗ってトンチキミステリ紹介など入れたので三分割になってしまいました。つい、血が騒いでしまい……。
◆
前回の感想はこちら。
【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識
・6年前に書籍第一部を3巻まで読んだところで中断。だいぶ忘れてます。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・2019年11月~2020年3月にかけてAoMシーズン1を読了。
・2020年5月~10月にかけてAoMシーズン2を読了。
・実況は一度だけ参加しました(20年2月の3部野球回再放送)。
【前提2】感想の方針
・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の知識はあえて入れないようにしています。情報を与えずそっと見守っていただければ幸いです。
◇◇◇
今回のエピソードはこちらです。
シーズン3「ヨロシサン・エクスプレス」(中)
キュィーッバタン!
(CV.江戸川コ〇ン)
観光列車ヨロシンカンセン内SS客車で、ニンジャ社員が殺害された。走行する列車内で、他の乗客に気づかれず密かにニンジャを殺す――そんな芸当ができるのはニンジャしかいない…! チカハ社のサラリマン探偵(偽)サガサマは、乗客のニンジャたちをS食堂車両に集め、事情聴取を始めたが!?
テッテッテッテッテッテテテ♪
♯5
食堂に関係者を集めて、探偵が一人ずつ話を聴く……あ〜、そのシチュエーションをニンジャでやってくれてるだけで楽しい!!
ありがとう!ミステリ回ありがとう!!
「アニキ大丈夫かな」ザックがコトブキに囁いた。
おお。ザックくんがNRS症状から復帰している。パンツとズボンはどうしたのかな、履き替えたのかな。などと無粋なことを考えたりする。ごめん。
「信じましょう」コトブキは震え声で答える。「し……信じるしかありません。きっと、事情が」
言葉と裏腹にまったく信じてないのが丸わかりなコトブキちゃん……こらこら!「事情が」とか言い出すあたり、完全に犯人だって疑ってますよね!? 少しは仲間を信じてあげてくれ!(笑)
◆
容疑者ニンジャは、サガサマさん含めて7名。
1 マスラダ・カイ
2 ヤモト・コキ(不在)
3 サガサマ・ミネ(探偵役)
4 キャスケット(ヤモトさんを狙っている)
5 サクリリージ(同上)
6 カナスーア(着物姿の古物商)
7 アクセルジャック(モヒカンクソ野郎)
カナスーアとアクセルジャックが新顔ですね。
どちらも愉快なニンジャムーブをしてくれて楽しい。特にアクセルジャックさんのキャラが濃すぎて笑ってしまいました、コトブキちゃんの「すごいクソ野郎です」という率直な感想が面白すぎる。
「違うんです!」コトブキが奪おうとしたが、サガサマは躱した。「オリガミだ。何故あなたがこれを隠そうとしたのか……つまり……ええと、これは……」(マスラダ=サン)コトブキはマスラダを見た。(スミマセン……もう、庇いきれない……でも、本当に貴方なのですか……?)
コトブキちゃんポンコツ助手すぎるwww
(庇いきれない…)って全然信じてないじゃないですかー!! マスラダくんのこともっと信じてあげてくださいよー!
◆
「わかった」マスラダは頷き、不意に立ちあがった。(略)KRAAAASH!彼の鋭利なチョップ突きは床を砕き、抉りぬいた!「グワーッ!?」床下から何者かの悲鳴!
あっ……。そっちでしたか。
集められた全員以外に登場人物(犯人役)がいるパターンですね。……うん、まあね、あるある。ミステリにはこういうこともよくある。ミステリは意外となんでもありなので、こういうこともあります!
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「打ち合わせ通り、お前たちが時間を稼ぎ、おれが探し出す。そういう手筈だろ」
ほんとだよ!w コトブキちゃん反省して!!
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……今は見よ、マスラダのオジギを!オジギの瞬間、彼のフードはほどけてマフラーめいた赤黒の布となり、装束が形成された。
フードがほどけて赤黒の布になるの最高~! 好きだ~!
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と、いうわけでせっかくの推理ショーは一瞬で殺伐ショーに変貌してしまいました。残念。でもミステリの香りを感じ取れただけで楽しかったです。ありがとう、さよなら、ミステリニンジャスレイヤー。
殺し合いショーになってもなお清く正しく伝統的な「こんな所にいられるか!」ムーブをしてくれるカナスーアさんには癒されました。この期に及んでまだお約束を見せてくれるんだね……いい人だね…。(?)
♯6
ヨロシサン社員を殺した犯人は、列車内に隠れ潜んでいたネザーキョウのニンジャ・デスリモーラであった! ニッタ・カタツキを狙い犯行に及んだものの、肝心の茶器盗難はヤモトに阻止されていたのだ。存在を知らせるリスクを冒したヤモトは、シ・ニンジャ・クランのニンジャたちに発見されてしまう!
◆
サクリリージさんが急に非ニンジャさんたちを殺し始めたので(えっ)ってなってしまったんですけど、ひょっとしてこの人、死体から武器を作っている……? じゃあザック少年が危険じゃないですか!
サクリリージさんはどうやらこれまでにも登場したニンジャさんっぽいですね。フジキドさんを知っているらしいので、多分そうかな。
「懐かしい名を聞いた。お前は明らかにあれではない。だが腑に落ちもする。愉快だな……」 「貴様もか」ニンジャスレイヤーは眉根を寄せた。
マスラダくん、「親戚のオッサンと同じ名前のせいで迷惑こうむってイライラする若者」みたいな反応をしている……。
いいじゃないですか、フジキドさんが以前ニンジャスレイヤーだったのは揺らがない事実なんだから……。フジキドさんは悪くないでしょ。
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サガサマさんに話した内容から推測するに、シ・ニンジャ・クラン(下位)に属するニンジャは、シ・ニンジャ(上位)の憑依者を殺害することで、格がUPするというか、力を奪い取れる……みたいな状況ということでしょうか。ぼんやりとですが、わかってきました。ふむ…….。それで「追っ手」というわけですか。
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オリガミを用いて殺人犯の居場所を伝える行為も、ヤモトには相当にリスキーな行いであった筈だ。
「……チッ。おれの面倒を増やしたな」ニンジャスレイヤーは呟いた。
いちいち舌打ちしないのマスラダくん! 態度が悪いよ!
そして「ヤモトさんがリスクを冒して自分たちの作戦に付き合ってくれた」ことに対してまたもや貸し借りポイントカードを発行したでしょ今。まったく貸し借りマシーンなんだから~マスラダは~。
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サガサマの拳は驚くべき破壊力で骨剣を砕いた。衝突の瞬間、彼の手首は蒸気を噴いて、瞬間的に前に飛び出したのだ。
うおーロケットパンチ!!
いいな~腕のギミックかっこいいな~! サガサマさん良いなあ!
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美しくかっこいい大人ヤモトさんを見守りながら(でも今……セーラー服を着ている……?)と考えそうになる冷静な自我を必死で水面下に押し込んでいます。考えるな! 今はニンジャ装束のはず! セーラー服のわけがない!
ヤモトは問いかけるようにニンジャスレイヤー達を見た。アンタ達はどうする。そう目で問うた。ニンジャスレイヤーは答えた。「力を貸してやる」
「力を貸してやる」じゃない。
マスラダえらそうだぞきさま。
真ヤモトさまのひざこぞうの前であるぞマスラダ、頭を垂れてオリガミを献上するのだマスラダ、きいているのかマスラダ!?
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混乱は列車内だけにとどまらない。突如、列車を襲ってきた騎馬集団は……ネザーキョウ!
彼の名はクワドリガ!タイクーンの覚えめでたきアケチ・シテンノが一人!ジゴクのチャリオットを操る完全戦士である!
なんかすごい人が来てしまった……アケチ・シテンノって強いひとですよね。どうなってしまうんでしょうか。
♯7
殺人犯は自ら爆発四散し、塵となった。しかしその瞬間、ヤモトを狙って列車に乗り込んでいたサクリリージとキャスケットが死体を武器にして彼女に襲い掛かる! 真の姿を現し応戦するヤモト、借りを返したいニンジャスレイヤー、巻きこまれたサガサマ。
混乱のさなか、客車に戻ったコトブキは恐るべき騎馬ニンジャ集団を目撃する……ネザーキョウの部隊が、シンカンセンに襲撃をかけているのだ!
◆
赤い帯を締めたゲニンだ。即ち、ヒケシという兵種である。
あかい
おび
◆
………今日はもう終わりにして寝てもいいですか?
頭が……ついていかない……もう何も考えたくない……。
法螺貝を吹いてる……むり……(くずれおちる)
◇
一晩寝たら冷静になりました。
◇
ふう。
気を取り直して……。
クワドリガさん、「惰弱文明にふさわしい屁っぴり鉄砲」とか表現がいちいちスゴイ。キャラが濃いですね。
ショットガンでビシバシ撃ち返すコトブキちゃんもカッコいいです!!
◆
「状況はどうなっているのでしょう……タキ=サン!タキ=サン!」『どうした!さっきからコールうるせェな!』
呼びまくるのカワイイ~~~~!!! 世界有数のメガコーポが誇る最新式シンカンセンのシステムをハックって、タキさんへの無茶振りが酷すぎて笑ってしまいます。お金をむしり取るだけじゃ飽き足らず、容赦なく使い倒していくスタイル!
混乱しているタキさんもかわいいね……。「いきなりすぎる。なんでそんな事に!?」があまりにもその通りすぎて同情を禁じ得ない。それでもすぐに対応してくれるタキさん、本当にお人好しですよ。そういうところ好きだよ……コトブキちゃん、カナダ土産いっぱい買っていってあげてね。
◆
この大混乱状態で「独りじゃヤバすぎる」と判断してコトブキちゃんについていくザック少年の判断力もまた推せる。頼もしいですね。将来有望な少年です。
サガサマはひきつった笑いを浮かべていたが、それは極度の緊張から来るものだ。「(略)坊や、私はね……」「しっかりしてくれよ!アンタ一番大人なんだ」
え
えっなに、なにこの爆弾みたいなすごいやりとりは、はぁーッ!?
ギエエエエエェェめちゃくちゃ興奮してしまった!!
手が、手が行き場を失ってウロウロしている、ど、どうしましょうオッサンと少年が、、優しくて頼りがいはあるがストレスに弱いオッサンが少年に思わず弱音を吐き、「大人なんだから頼りになる大人でいてくれよ!」と子供に訴えられハッと目が覚めるの、そして(大人なのだからこの少年を守らなくては)と自覚するの、最高にもほどがあるんですけど……これは……しかも名前を呼び合ってる……それはまるで天に燦然と煌めく太陽のような至高の輝き……
唐突にぶん殴られてしまった。俯くオッサンと背中を叩いて前を向かせる少年はいつだって最高なんですよ……『ドゥームズデイ・ブック』のダンワージー先生とコリン、いいよね……
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シ・ニンジャの詳しい解説が来ました!ありがたい!!
元はカツ・ワンソーの弟子なんですか……ナラクちゃんとは敵対関係にあるってことですね。あ、だからフジキドさんが最初にヤモトさんに会ったとき、ナラクちゃんが殺せモードでハッスルしてたのかな?
圧倒的な強さでキャスケットを下したヤモトさんかっこよかったです。強くなってる。すごく頑張ってきたんだなあ。なのに門弟たちに追い回される現状が、頑張りすぎた結果だというのがなんともやりきれないです。ヤモトさんにも安寧の日々が来てくれたらいいのですが。
【おまけ】ミステリってなんでもありだよ!
ニンジャが好きな人はきっと好きなはず!
私の好きなトンデモ×ロジック×極上エンタメなミステリ本を紹介という名目でとつぜん布教していいですか!? します!! (なお私はミステリの中でも構成のフェアさやロジカルさを特に好むタイプの読者なので、ジャンルが偏っていることは付記しておきます)
◇「カエルたちに相撲の特訓をつける」本◇
ただその裏庭には、たくさんのカエルがいた。
あまつさえ、カエルは相撲を取っていた。
土俵はなく、まわしもしめていないが、二匹のカエルが二本足で立ち、組み合っては押し、引き、ひねり、相手を地面に倒そうとしていた。
まぎれもなく相撲だ。
(略)
セーラー服姿の少女が日本家屋の縁側に座ってカエルの相撲を見ている光景は、おとぎ話にしてもやり過ぎなのではないか。でもこれに似た明治の日本画が実際にあったな、と文季はどうでもよいことを考えながら、態度だけは冷静に尋ねた。
「これはなに?」
「相撲」
「うん、相撲だけどね」
日本神話と相撲とボーイミーツガールと意外な真相とフェアな伏線。
城平京のトンチキミステリは今日も最高だぜ。
◇「未来予知するカカシが殺される」本◇
僕は困っていた。カカシが喋るなんていう事実を、受け入れろと言われても難しかった。しかも未来を知っているなどと言われて、うなずけるのは、能天気な子供くらいだ。
「城山を知っているのかい」
「恐ろしい男ですね」カカシは、あまり感情を込めていなかった。
僕はその場で座り込みそうだった。「信じられないことに、警察官になっていたんだ」
いや、もっと信じがたかったのは、僕がカカシと対峙して会話をしている、その事実のほうだったが、気づかないフリをする。
「とにかく、優午は未来がわかるんだ」日比野が、もどかしそうに言う。
「天気予報と呼ばれるものがあるでしょう。あれも未来のことを当てるではないですか。数時間先、一日先、一週間先。私も、要はそれと同じです」カカシが喋った。
カカシはそのまんまカカシです。田んぼに立ってるやつです。喋るし、未来予知もする。そして殺される。伊坂幸太郎のデビュー作。超面白いです。
◇「45年前の鋼鉄番長の死が、自殺か他殺か推理する」本◇
「だからその鋼鉄番長とか魔法番長とかピストル番長とかいうのはなんだ? マンガか映画のキャラクターか?」
「実在の人物です! 四十年以上前、まだ学生達が熱かった時代の人達ですよ!」
ますます胡散臭い。
ひよのは歩の疑いを見抜いてか、部室の棚に駆け寄ると資料本をあさりだし、三百ページ以上軽くありそうな一冊のハードカバーをバンと眼前に押し出した。
装丁にまったく工夫のないくすんだ本だ。マイナーな出版社の少部数書だろう。白っぽい表紙に菅村軍平という著者名、タイトルは『番長の王国』とあった。
西でピストル番長が腐敗を撃つ中、東で魔法番長が漆黒の女神として悪を成敗する。両名が二年生の十月。旧抜刀番長勢力は二大番長によって完全に壊滅され、全国高校はどちらかの番長を主とする体制で統治されることになった。
これで全国は平和になり、かつてののどかな番長時代が戻った、と考えるのは早計である。むしろ逆の方向に転がりだしたのだ。もともと抜刀番長の残した毒を制するために立った二人であったが、戦いの中で必然的に作られていった組織集団が自分たちがかつぐ番長に全国統一を望み始めたのである。(略)
これがいわゆる番長冷戦時代である。『番長の王国~増補改訂版』より
これ、これね……ヘッズの皆さまに心の底からおすすめしたいんですよ……。
突如明かされる、最狂トンチキ歴史設定 × 美しい定理で紐解かれる番長の死の真相!
とある番長(?)の一人娘から、45年前、鋼鉄番長が密室で青酸カリを飲み死亡した事件(……)の謎を解いてほしいとの依頼を受けた新聞部。手がかりは『番長の王国』という胡乱なノンフィクション一冊のみ。密室が開かれたとき、熱き番長の時代の秘密が明かされる!!
入手経路はもはや古本しかないのですが、超絶傑作なのでできることなら読んでほしい!
どれも美しい論理で紡がれた最高に面白いミステリです。おすすめです!
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ところでこの紹介文書きながら、(こういう本を大喜びで読んでおきながら、ドーベルマンがニンジャだったくらいで混乱しているのはダブルスタンダードなのでは?)と反省しました。うん、ニンジャの化石ぐらい普通だよね……いや普通じゃないぞ?(冷静になる)
お付き合いいただきありがとうございました!
ではでは、また次回の感想でお会いいたしましょう。
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次の感想はこちら。
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