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ニンジャスレイヤーを第4部から読みはじめる/シーズン2_10「カウンシル・フジミ」(前)
出戻り初心者ヘッズの望月もなかです。こんばんは!
昨日は一日じゅう県の河川水位情報と睨めっこしていました。ようやく水位が下がってきたのでほっとしてます。我が家はなんともありませんでしたが、氾濫してしまった地域もあり心配です。自然は怖いですね。
◆
前回の感想はこちらです。
【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識
・6年前に書籍第一部を3巻まで読んだところで中断。だいぶ忘れてます。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・2019年11月~2020年3月にかけてAoMシーズン1を読了。
・実況は一度だけ参加しました(20年2月の3部野球回再放送)。
【前提2】感想の方針
・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の前知識はあえて入れないようにしています。よって、単語がわからずよく混乱していますがそっと見守っていただければ幸いです。
◇◇◇
今回のエピソードはこちらです。
シーズン2「カウンシル・フジミ」(前)
ゾーイを守りながら「ワイズマン」を撃退したニンジャスレイヤーたち。ソウカイヤを牽制しつつシンウインターの首を狙うのは、フジミ・ストリートのスーサイド。はるばるネオサイタマからポータルでやってきたフジキド・ケンジとシキベ・タカコも加わって、フジミ・ストリートの酒場<筋>で、ひとときの休息である……。
♯1
コトダマ空間のカラスおじさん&シルバーキー氏に見守られ、先代ニンジャスレイヤー・フジキドは……
「私はオヌシのソウルがいかに危険か知っている」「……それがどうかしたか。そんな事をわざわざ伝えに?」
マスラダの塩対応にも負けず頑張っていた!
マスラダくん塩がきつい。かけすぎかけすぎw
「かつて私は邪悪に呑まれ、憎悪の果てに、ただ殺戮の怪物として志半ばに消え果るところだった。ドラゴン=センセイの導きがなければ。私はセンセイのインストラクションを無駄にせぬため……」「もっと昔にそのインストラクションを持ってきたなら、役にも立ったろう」「ヌウ……」
そんな……「小学校低学年のとき、授業参観が得意科目で張り切ってたのにお父さんが仕事優先して来てくれなかった息子」みたいな反応を……。そう。プロジェクトがひと段落した頃になって、高学年の授業参観に行きたいとか言い出しても遅いんですよね……どうしようもないパターンです……(沈痛な面持ち)。
「ヌウ」って黙っちゃうフジキドさん可愛いですね(笑)
神器を敵の手に委ねてはならない、ユカノを石にしておくわけにもいかない。使命が優先。仕方のないことだったのです。でもいくら事情があったとしてもマスラダくんを後回しにした事実は消えないので……フジキド・ケンジは言い訳ができない。黙るしかない。かわいそう。私は楽しいですが。
「今は安定している。よく御している。だが」「ナラクの危険を甘く見ていると?……この力でおれが既にどれだけ苦しんだか、アンタは知らないだろう」 「……」「知ってほしいとも思わない。十分だ。おれは、おれのやり方でやる」
ほらほら~。息子が反抗してる。フジキドさんはナラクに呑まれて一番しんどくて苦しかったときにセンセイに助けてもらえたみたいですけど、マスラダくんの封じた記憶があふれて一番苦しかったとき、フジキドパパはどこで何をしていたのかな。そうですね、ネオワラキアでピーマン・スシ食べたり、王さまに恭しく血を飲ませたりスマホケース貰ったりしてたんでしたっけ? おおっとこれは言い訳できないな~!(※『クルセイド・ワラキア』の話)
マスラダくんはどうせ来るならあの時に来てほしかったんだと思うんですよね。伝言だって、本当は初対面の女探偵じゃなくてフジキド本人から受け取りたかったんだと思う。わざわざ「アンタの伝言は……そうだな……受け取った。あのシキベとかいう探偵から」と当てこすってくるし、ずっと人任せにしてたくせに今さら来て説教しても遅いんだよモードですねこれは。
それでも一生懸命「心配だ」「こういう危険が」と説得しようとするフジキドさんは健気でかわいい。がんばれ。と応援してたら追い打ちのように「ついてくるな、うざい(※意訳)」って言われてまた「ヌウ……」って黙っちゃうフジキドーーー!!www 強く生きて!!
◆
これ、なにより面白いのは、マスラダくんは昔の男(シルバーキー氏)には深く恩を感じて礼節をもって接していることなんですよね……。ちなみに「よく御している」のは、シルバーキー氏が応急処置してくれたからなんですよ? フジキドさん気づいてる? 息子は元カノに懐いてるぞ?
(ところで「お前」呼びが通常運転のマスラダが、フジキドやシルバーキー氏のことは「アンタ」って呼んでるの、良きですね……堪らん)
◆
さて。
重々しい雰囲気で、木槌が鳴り、ピザタキ法廷が始まる。
前回さらっと流されたかにみえたピザ事件はまだ終わっていなかった。これからが始まりだった。
コトブキは明るい笑顔を見せた。「本当においしそう!」スージーは満足そうに彼女の肩に手を置いた。「嬉しいね!なんてカワイイ娘なんだろうねえ!」旨そうな香りの湯気を立てる巨大なマルゲリータ・ピザを前に、ゾーイも少し笑顔になった。
裁判長。ここまではよかった。普通のピザ風景だった。たとえマスラダがピザを食べようとも、あんな……あんなプレイ感に包まれた空間は生じなかったはずなんですよ……。ではご覧ください。
「ガガピー……ザリザリ……オイ、なんだそりゃ?ピザか?」モニタには薄汚い金髪の男の顔が表示された。タキだ。ネオサイタマからのIRC接続が確立された。
見ッ……、
タキさん見てる。これまで一度も野良猫にピザを食べてもらえなかった……ピザ屋のタキがみてる。
「ピザを食うのか?」ロボットは卓に近づいた。マスラダはピザを大きく取り、無言で齧りついた。食べながら、さらに大きく取った。
わざわざマスラダの隣に。近づかせて、アバターを。物理的に隣に立たせて……音声やニューロン通信だけでもよかったはずが、モニターを通してタキの視界を確保し、しかもモニタを可動式にしてマスラダの隣まで移動させ、その上でマスラダが、ピザを、いや、あの、うそでしょなにこれ。ナニコレ???
マスラダなんでわざわざタキが近づいたタイミングで……見せつけるようにピザを……? なんで、なんでこんなひどいことを……? サキュバスに浮気したから怒ってるのか……? これまでのAoMにおいて、マスラダの落ち着いた食事シーンが一度だって詳細に書かれたことがあったでしょうかいやない(反語)。ピザを断るシーンは丁寧にやっておきながら、マスラダが食事を楽しんでいるシーンは書いてこなかった。家族とは食卓を囲むもの。そうそれは、奇しくもナスカ消失の報を知ったタキが、クソッタレCMを見つめながら思い知らされたことでもある……ネオサイタマにおいても「家族とは食卓を囲むもの」という物理法則は通用している、『ニンジャスレイヤー』という物語は折に触れてその法則を提示している……。
そこまでやっておいて。
よりによって……タキが物理的に手を出せない外国で、だというのに画像データだけは繋いで、タキの眼前で……わざわざマスラダにピザを食べさせる……これは有罪ではありませんか?!
これは何のプレイなんですか!? 文脈が完全にNTRですよね実質ピザNTRですよねこれはピザNTRってなんだ!? もうなにもわからない!
「人心地つきましたか?」コトブキがマスラダに尋ねる。マスラダは口を拭い、頷いて、席を立とうとする。「ゴチソウサマ。これで十分だ。エッジカム火山への道筋をくれ」「……ア?なに?」タキが我に返った。
コラアアアァァーーーー! マスラダ! あんなプレイをやらかしておきながら都合のいいヤツ扱いをまた! それは!! それはさすがに、さすがに倫理的にどうかと思いますよ!?! 有罪!! 復讐が終わり次第ピザタキに強制送還を命じる!!!!! カンカンカンカン(木槌)!! 閉廷ッ!!!
◆
ところで……。
このピザNTR事件にはまだ裏がある。余罪があるんですよ。
【ピザを食べる】=【NTRとして成立している】というこの文脈が、食事の席についている他の面々にはまったく理解されていないことです。ピザを食べる行為は、タキとマスラダ間でのみ通じる符牒なんですよ……。
スーサイドやフジキドから見たマスラダは「お世話になっている宿の店主が好意で焼いてくれたピザを、お行儀よく丁寧にいただき、『ゴチソウサマ』してから仕事の話にかかっている」だけなのです。
なのにタキから見れば「オレの店ではいくら勧めても頑なに食べようとしなかったピザを、遠い外国で、目の前で、罪悪感の欠片もない顔でおかわりまでして美味そうに平らげ、店主には自分には一度もしたことのない礼(ゴチソウサマ)を伝え、そのあと悪びれもせず用事を頼んできた」になるという……これは……プレイが高度すぎる……。
(機微に敏いコトブキちゃんがタキへのフォローを一切していない=彼女にすら事態を理解できていない可能性が高い……)
こいつら、宴会のローテーブルの下で二人だけでごにょごにょやるメソッドでピザを食って食われているんですよ……!
なんなんですか……何を見せられたんですか私は……? ニンジャスレイヤーってなんだ? AoMはどこから来てどこを目指しているんだ?
◆
「そうだ!絶対協力したほうがいい!オレもそう思うぜ」タキが勢い込んだ。「今回の相手は組織だ。サンズ・オブ・ケオスの時は一人ずつ狙ってったからうまくいった!」「おれ達の事を無駄に話すな」マスラダが黙らせる。
なん……なんなの……? いやマスラダおまえ……なに?
「おれ達の事」ってなに?
通常の文脈で発せられたならただピザタキヒャッホー!!と喜んでいたはずのセリフが……よりにもよってピザNTRプレイの直後に発せられたことでなんか……意味深になって……
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「敵の規模もわからねえんだぞ!」タキが抗議した。「オイ、スーサイド=サン、アンタも……」「ダメだ。座れ」スーサイドがピシャリと言い、飲み干したコロナの瓶をズンと置いた。マスラダがスーサイドを見た。スーサイドはじっと見る。マスラダは一旦、座り直す。コトブキも不満げに従った。
スーサイド兄ちゃんの「おすわり」命令笑った。無言でおとなしく座るマスラダくんとコトブキちゃんかわいいwww
◆
スーサイドが「オールドストーン」なる重鎮の名を挙げました。なるほど……。エメツが発見される前も、小規模ながらシトカの街は存在していて、漁師たちによって自治が保たれていた。その頃の名士ということですね。スーサイドさんの作戦、まっとうだ。すごい。フジキドさんとかマスラダくんとか規格外の人の作戦ばかり見てたので感動する。
「で、アンタだ。頭数に数えていいのか?」(中略)「是非もなしッスよ」シキベが言った。「状況を解決しないと、街から出られないンで……とにかく、その為の努力は」
シキベさんも真っ当だ! このマトモさ、とてもありがたい。普通のことを、普通に発言してくれる……それがいい……。
◆
「話していい?」
「構わない」銀の浜辺で、シルバーキーはゾーイが投げかけた問いに答えた。彼はゾーイがコトダマ空間に無雑作なまでに容易に接続してきたことにあらためて驚嘆していた。「そこにいるのは、俺の……そうだな……まあ、昔から知ってる相手だ。話していいぜ」
「そこにいるのは、俺の……」
いや何!?!
いやいやいや俺の何。なんなんですか。昔の男なんですね知ってる!(正確には何も知らないんですけど多分この理解で合ってる、回を追うごとにそんな気がしてきましたよもう!!)
シルバーキー氏の匂わせがタダ事じゃないというか、もはやつけすぎた香水みたいになっておりますが……なんで言い淀んだの……俺の昔の仲間とかじゃだめだったの……?
まだ♯1の感想なのに記事がとても長くなってしまったのでいったんここで切ります。特に話も進んでいないのに、なぜこんな長さに……?
また次回の感想でお会いいたしましょう。
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次の感想はこちら。
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