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出戻り初心者ヘッズが、ニンジャスレイヤーを第4部から読みはじめる/シーズン1_21「ウィア・スラッツ、チープ・プロダクツ、イン・サム・ニンジャズ・ノートブック」(後)
こんにちは、望月もなかです。めずらしくお昼に更新です。そんな日もあります。花粉が飛びはじめて目がかゆいです。みなさまもお大事に。
前回の感想はこちらです。
【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識
・ニンジャスレイヤーは第一部の書籍3巻で止まっています。中断してから6年、内容はだいぶ忘れてしまいました。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・忍殺用語にはいまだにビクッとします。
【前提2】感想の方針
・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・読んだ日だけ感想を書きます(翌日に分割することもあります)。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の前知識はあえて入れないようにしています。よって、単語がわからずよく混乱していますがそっと見守っていただければ幸いです。
◇◇◇
今回はこちら、後編です!
シーズン1「ウィア・スラッツ、チープ・プロダクツ、イン・サム・ニンジャズ・ノートブック」(後)
デシケイター暗殺作戦がついに始動! タキとコルヴェットは、CEO情報にハッキングをかけるため、ネオサイタマのシンケンタメダ本社に潜入した。ムンバイ支社のアンキタは、ニューログラの製法を知るヒラタ主任の解放を条件に、コトブキと行動を共にする。そして強敵・デシケイターとの戦闘に伏して備えるマスラダ。戦いの火ぶたは今、切って落とされた!
♯7
トーフ・ゼリー
おいしい単語同士を組み合わせているはずなのに、なぜこんなにもまずそうなんだろう。……豆腐はゼリーっぽいけどゼリーは豆腐じゃないからだろうか(禅問答)。
「あの子、スゴイのよ」ヒラタ主任の身体を撫でながら、オイラン達が水着オイランを指さした。乳房が三つあるのだ。「本当だ……」
乳房が三つ、魅力的……なのでしょうか?
いやまあ、たくさんあれば嬉しいのかなぁ、とも思わなくもないんですが、本来二つある場所に三つあったら本能的に怖くなったりしません? 三つ目小僧や一つ目オバケが「妖怪」足りうるのはまさにそれが理由なわけで……。まあただ、『スズ黄』には肉体改造で腕を増やしている女の子もいましたからね。ニンジャも珍しくない世界であれば、異形へのタブー感は低いのかもしれません。SFならではの描写で興味深いです。
◆
ニューログラはポスト磁気嵐時代を救う聖杯だった。
「ポスト磁気嵐時代」とは第三部終了後の約10年前~現在までのことを指している、という理解で合っているのかな。うん。
ということは、IRC病はこの10年で急に蔓延し始めた病ということになるのでしょうか。それとも病自体はもとからあって、単にニューログラによって不治の病ではなくなっただけなのかな。ちょっとよくわかりませんね。第三部までを読めばわかるのかもしれない。お楽しみに取っておきます。
◆
そしてタキ=サンの突入!
「そこまでだ!カイシャ・ケイサツだぞ!逮捕する!」黒髪混じりの金髪のガイジンが銃を構えた!
ワーオ! ぞんざいかつ詩情も文学的修辞もユーモアもまったくない陳腐なタキ=サンの口上だぞ!
けど、このぎこちなさが「慣れないことを頑張ってる」感あってけっこう好き。
とはいえコルヴェットさんいなかったら確実にタキさんこの場で死んでたなと思います。コトブキちゃんが詩人さん呼んでくれたおかげやぞ! 感謝しろよ! コトブキちゃんが帰国したらタキさんは二人にピザをチンしてあげるべき。飲み物も一杯無料でつけるべき。
◆
「アカチャン!」「アカチャンーッ!」オイランドロイドが顔面を回転させながら走り込んでくる!
「アカチャンーッ!」光るプールでは三つの乳房のオイランドロイドが手足の関節を変形させ、逆関節蜘蛛めいた形態をとる!
怖。
いやあの、ほんと怖い。怖いから、やめて、やめてください。ホラー映画とかほんとダメな人なのでその演出はだめなの、オイランドロイド怖いよ。もうゾンビ映画じゃんこれ、やめてくれ……夢に出るから……。
コルヴェットさんの魔術師っぽい戦い方かっこよかったです。魔術ナイフもいいけど風を利用した粉かっこいいね粉。風のニンジャ!!
◆
「オレだって知らねえよ」タキは毒づいた。「急に我儘言い出すからよ。いや、こっちの話」
ギュンっときた。ナニコレ。
み、身内感~~~~!!
ええ~~ででででもさ~~~その「我儘」をなんだかんだいって聞いちゃったからここにいるんでしょ~!? などと考えてしまい顔がニヤついてしまって大変である。マスラダもタキもそうやってコトブキちゃんにはいちいち甘いところが似てるよね……(ここまで自分で書いてものすごいダメージ受けて悶えております)
「ニンジャなんだ!奴は……情け容赦のない、ニンジャなんだよ!」「ああそうだ。まあ、そいつはブッ殺す」タキは面白くもなさそうに言った。「オレんとこの物騒な奴がな。協力してもらうぞ」
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア゛アア゛ア゛ア゛ア゛!
しぬ、しぬから やめて、いややめないでもっとやって、お、オレ、オレんとこの、、、、、はぁああああ……
(ここでしばらく先に進めなくなった)
「オレんとこの物騒な奴」という発言でスタンガンを食らったみたいに静止してしまった望月さんはひたすらその画面だけを見ては顔を伏せるというループで15分ほど過ごしたわけですが、タイムイズマネーってチバさんも言うので頑張って続きを読もうと思いました。
いやでも無理なんですけど。無理です!!!!
だいたい急に我儘言い出すだのオレんとこの物騒な奴だのタキさんの発言から滲み出ている保護者感がスゴい。好き!!!
◆
壁には「明治維新」のショドー。そして江戸のサムライ鎧。
この世界が江戸や明治から地続きだと信じたくない自分と、同じ名前だからといって私の知っている江戸や明治であるわけがないと冷静に分析する自分が脳内で喧嘩をしていますね。
ハッキングする前にまず高級椅子を堪能するタキさん最悪すぎる(笑)緊急事態なんだからさぁ!! 今じゃなくていいでしょ!(ただ、それでこそタキさんだなとも思う)
◆
01001001DAMNDAMNSHIT。考えるだけでニューロンが言葉を吐き出し、UNIXがそれを吸い込む。楽しいもんさ。オレは卑近な世界の物理肉体を見下ろしている。そのルックスときたら、カート・コベインによく似た素敵な男だが、今は涎を垂らし白目を剥いて、哀れなありさま。
タキさん割とマジでヤバくない? 大丈夫?
カート・コベイン知らなかったのでググりました。『ニルヴァーナ』(こちらはさすがに聞いたことがありました)のボーカリスト兼ギタリストだった方なんですね。ふむふむ。IKEMEN。タキさんはこれの劣化版をイメージすればいいわけですね。わかりやすいです。
ところで望月さんは「幼なじみ」とか「血のつながらない義姉弟」のような関係がミスドのフレンチクルーラーよりも好きなので、タキ=サンと亡くなった姉貴分まわりの描写にはソワソワして胸が高鳴りました。好みの……予感がする……(もう書かれることはなさそうですが)!
◆
「ハイヤーッ!」KRAAASH!コトブキは逡巡したのち、決断的にUNIXをカンフー・チョップで破壊した。「ここにいてはいけません!」
「アイエエエ!」「取り急ぎ証拠隠滅しました!」
判断が迅速なコトブキちゃんすばらしい! 最高オブ最高!
脱出する二人をそのままにせずジャストタイムで到着するマスラダくんも、ビジネスマン並に時間が守れるアーティストなのでえらいと思いました!(?)
「煮える黒い炎」なるフレーズが格好良すぎて震える。
ヤッチマエですよマスラダくん!!!
♯8
ムンバイでは逃走中のアンキタ&コトブキ組にニンジャスレイヤーが合流し、イクサが始まった! だがタキのハッキングの成否がわからない今、デシケイターのジツをどうやって破ればいいのだろうか。
◆
「全然引き離せない……!」「わたしが食い止めます……まあ!」コトブキは目を丸くした。リアガラスに不意に逆さ向きにヌゥと現れた顔……「忍」「殺」のメンポである。
マスラダくん!(笑)
安心させようと直接顔見せてくれたんだろうけど絵面(笑)
そりゃアンキタおねえさんも悲鳴をあげますよね。
◆
「タキ=サンのソーシャルハックの成否が不明……連絡が取れないんです!」
『わかっている。確かめた』ニンジャスレイヤーの音声が返った事で、コトブキは少し安堵した。少なくともヤケクソ的な無謀攻撃を試みるわけではないのだ。それから自らを少し恥じた。もっと信頼すべきだ。
確かめたんだ。へえ。
確かめたんだ……。
(じわじわとスクリューでみぞおち抉られたように悶え苦しみ始める)
あとコトブキちゃんが「もっと信頼すべきだ」って考えているところ、「ニンジャスレイヤー=サンはタキ=サンを信頼しているのに私は……」みたいな(多少勘違いも含まれた)感想を抱いているのではないかという幻覚を見てしまい、こう、ろくろを回しますよね。ええ。はい。
ハッ、そしてもしかしてデシケイターvsニンジャスレイヤーということは、運転している秘書のススキさんとコトブキちゃんが対決するということでしょうか。ウキヨ対決! これは盛り上がる予感ですよ!!
◆
「当然だろう。たかが不測の事態ひとつで、何故俺の生き方を変える必要がある?」デシケイターは答え、株をショートした。「……同感だ」
「……同感だ」
はいこれ。この三点リーダ、「……」の部分でマスラダが何を思ったのか読み解いていきましょうね。
国語の時間です。ノートの準備はいいですか。
まずは基本的な読解ですよ。マスラダが「同感だ」と言っているのはなにに対してかな?
はい先生。「”たかが不測の事態ひとつで生き方を変える必要などない” 」というデシケイターの主張に対して、「同感だ」と言っています。
そうですね。正解。ではここでデシケイターが指している「不測の事態」とはなにか、わかるかな? ……そうだね。「ニンジャスレイヤーの襲撃」のことです。デシケイターにとって不逞の輩に襲われるのは日常茶飯事。そのくらいで揺らぐような生き方なら最初から貫いてなどいない。無味乾燥合理的、まさにデシケイターならではの言葉と言えるでしょう。
……では、「俺も『不測の事態』ごときで生き方を変える必要などないと思っているぞ」=「同感だ」という返答をしたニンジャスレイヤー。今この場で起きている、ニンジャスレイヤーにとっての『不測の事態』とは、果たしてなんなのでしょうか。わかるかな?
◆
自分で書いていてなんですがもう平常心が保てそうにありません。すみません。なぜ私はこんな壮大な自爆劇を垂れ流しているんだ?
◆
コトブキちゃんやコルヴェットさんが仲間として協力してくれること、とか、いろいろ考えつくことはあるんですけども。今エピソードでのみ発生している「不測の事態」ってどう考えても「タキのIRC病」だと思うんですよね……。
もう多くは語らない。私はもうだめです。ありがとうございます。
◆
「逃げろ」ニンジャスレイヤーはコトブキに言った。「そいつを連れて」「……!」コトブキはアンキタに肩を貸し、その場を去る。
ここあまりにもマスラダ!ってやりとりでウワーーーーーーー! ってなりました。う、うまく説明できないんですけど、伝わる? 伝わってくれ!
そしてやっぱりウキヨ対決だー!!!
ヤッチマエコトブキちゃん!!!!
◆
オレは……オレは企業アカウントを前にしている。確かアダナス・コーポレーション。そう。何のためだ。
決まってる、奴だ、あの疫病神、IRC通信でいつもクソみてえな反応しか返さない。奴のIPアドレスは妙で、通信機器じゃないとしたら、じゃあ何だ?奴はアダナス・ドローンにたかられて、今にも死ぬ寸前?
ここらへんの独白ほんっっとヤバいな。
「LINEでいつもクソみてえな反応しか返さないアイツ」っていわれたらもうそれだけで「そいつおまえのなんなのさ」案件になりますよね? つまりそういうことなんですよこれはもう。チョークで書きつける音。ハイみんな板書して。テストに出します。
そして思い出の姉貴分との会話が好みすぎて望月さんの自我が死ぬ。大事な思い出だったんだなそうなんだな……ふっフフフフ
ってバーバヤガ? あれ? なんか見覚えがありますね。この人第一部にもいませんでしたか? ほとんど覚えていないんですけど……電脳ネットワーク空間上のヌシみたいなおばあさん? だったような……第一部を読んだ時、バーバヤガをモチーフにした本を並行して読んでいたので名前だけ覚えていました。まだ電脳空間にいたんですね。
守り神? の助力とコルヴェットさんたちのおかげで、なんとか自我拡散から復帰したタキさんが頑張る! そしてようやく反撃のチャンスがやってきました! やったー! 希望が見えてきたぞー!!
♯9
タキさんとマスラダくんの初めての共同作業おめでとうございます! やったねー!!
◆
恩に着ろよ、オレのおかげだ。
ハイヨロコンデ。本当にありがとうね。
それはそうとサマーソルトキックって暗黒カラテだったの?
へ、へえ……そうなんだ~……。
◆
このニンジャを倒す。サツガイへの道を切り拓く。復讐を果たす……!アユミ!マルノウチ・スゴイタカイ・ビル!
あれ? マルノウチ・スゴイタカイ・ビルって……これはマスラダの記憶ではない……んですよね。フジキドさんの記憶だよね? 混ざってるのかな……。タキさんの見ているシーンでもノイズのように「マルノウチ・スゴイタカイビル」が出てきましたよね。なんなんだろう。
しかしフジキドの片鱗(黒橙のニンジャ)が瀬戸際のマスラダを導いてくれるの最高にアツい。素晴らしいです。グッときます。
◆
だがニンジャスレイヤーの、拳!
ここ、こここここ、ここサイッッッコウじゃないですか!?!?
ええええ緩急のつけ方がめちゃくちゃ格好いいんですけど!!??
◆
「サツガイの出現アルゴリズム」ってそんなRPGの隠しレアボスみたいな……。ダンジョンに特定の日時に行かないと遭遇できない的なやつ? それって果たして生きている存在なのでしょうか。ニンジャ・プログラムみたいな存在だったりするんだろうか。
◆
コトブキちゃんの戦いも手に汗握りました。その道のプロ相手に銃火器なしでよく戦ったよコトブキちゃん……。
ここでススキさんを問答無用で殺さないのがマスラダニンジャスレイヤーだなって思います。でも、有利な高所(ゴミ山のてっぺん)を確保したうえで交渉にかかるあたり甘いだけじゃなく隙は見せてないのがいいね。
◆
いまだ日は高かったが、空には月が透けて見えた。それは砕けており、インガオホーを呟くことはない。「動けません」月を見ながら、コトブキが言った。ニンジャスレイヤーは無言でコトブキを肩に担ぎ上げた。
こ……この、最後に二人が「空を見上げる」ところ~~~!!!
「ありがとうございます」コトブキは再度オジギし、二階への階段を駆け上がった。タキは客と目を合わせ、肩をすくめた。コトブキはスーツケースを担いで降りてきた。「ニンジャスレイヤー=サンにも宜しくお伝えください。寂しくなったときは、星を見上げてください。同じ空の下にいるのです……」17
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) January 20, 2017
空はつながっているんですよ……もう一人の仲間が今いるネオサイタマとさあぁあ~~~~!!!! ♯5の末尾のリフレインでしょ、ってことは敢えて「空」を見上げる描写いれてるんだな!?
二人は会計を済ませ、ストリートに出た。夜空は地上の光を吸い込んだスモッグによって、ほの白く濁っていた。割れた月の影はそれでもよく見えた。二人は目配せもかわさず、無言で別々の方角に歩き出した。 27
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) June 17, 2017
こ ! れ ! の !
これのリフレインでしょ!
わざとやってるのわかってるんだぞーーーーーーもおおおおおありがとうございます!!! 終わり!!
◆
今日はここまで。文字数……おつき合いありがとうございました。
次回はついにシーズン1の最終エピソード。楽しみです!
ではまた、次の感想でまたお会いいたしましょう!
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次の感想はこちら。
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