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出戻り初心者ヘッズが、ニンジャスレイヤーを第4部から読みはじめる/シーズン1_24「オラクル・オブ・マッポーカリプス」(後)
こんばんは、望月もなかです。また冬へ逆戻りしたかのような北風と雷で、まだ春は遠かりしだなぁと半纏を羽織っています。
ニンジャスレイヤー第4部「エイジ・オブ・マッポーカリプス」、ついに第1シーズンが終わってしまいました。怒涛の展開でした……。これまでの謎がひとつ解けたかと思えばまた別の謎が立ち現われ、まだまだ物語の終着点は見えてきません。マスラダ・カイはどこに向かっていくのでしょうか。
前回の感想はこちらです。
【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識
・ニンジャスレイヤーは第一部の書籍3巻で止まっています。中断してから6年、内容はだいぶ忘れてしまいました。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・忍殺用語にはいまだにビクッとします。
【前提2】感想の方針
・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の前知識はあえて入れないようにしています。よって、単語がわからずよく混乱していますがそっと見守っていただければ幸いです。
◇◇◇
今回はこちら。
シーズン1「オラクル・オブ・マッポーカリプス」(後)
浮遊要塞への対空砲火により、地上へと落下したニンジャスレイヤーとコトブキ。目覚めたコトブキは、自身がゲリラ組織『アンデスの虎』の懐にいることを知る。一方のニンジャスレイヤーは……?
♯8
ナラクさんの「ウケミ」講座が始まるそうです。
元来ニンジャとは天地を分かたず自由に飛翔せしものなり。星となってこの地に飛び来たりし者もある。何がそれを可能にした?ウケミだ!
自主休講していい?
◆
ナラクがなにを言ってるのかマジでわからないんですがこれは……。
「星となってこの地に飛び来たりし者」ってそれはもはやニンジャじゃなくて隕石とか宇宙人とかそういう呼び方のなにかだと思うんですよね。概念拡張にも程度というものがあるんですよナラクちゃん。なんでもニンジャと呼んだらニンジャになるんだったらトンボだってカエルだってミツバチだってニンジャになってしまいますよ。でも違うじゃないですか……違うよね? すでに第3部までに人外のニンジャが、たとえばカエル=ニンジャが出てきているとかそういうことは………あ、ありませんよね……?(ありえないとはいいきれない、それがニンジャスレイヤーなのでは?)(不安になってきた)
◆
空中でコトブキちゃんが撃たれてからの一連のくだりが非常に印象的でした。ちょっと真面目な話です。
ナラク→マスラダのコミュニケーションが、完全に空振りしているんですよね。
ここで改めて整理すると、読者たる我々はニンジャスレイヤーの本名が「マスラダ・カイ」であることを知っています。ですが、第4部シーズン1の時間軸において、ニンジャスレイヤーの本名を知る者は、実はマスラダの中にいるナラク・ニンジャだけなんですね。回想の中でアユミさんが「カイ」と呼ぶときのほかは、地の文とナラクが「マスラダ」と呼びかけるのみ。
恐らく第4部で彼と知り合った面々は、誰一人マスラダの本名を知らないのではないか、と思われます。
それにもかかわらず――現状、唯一マスラダの本名を知り、その身を同化させ、四六時中行動も思考も共有している状態でありながら――、ここに至ってもナラクがマスラダ・カイという男のことを1mmも理解していないことが落下中のやり取りで露わになっていきます。
(((マスラダ!ウケミを取るのだ。荷も減った。好都合なり!)))ナラクが教唆した。
ここまでのマスラダさんの行動をすべて見ていて、この教唆が通用すると思ってるのがむしろ驚きですよ。会話の一方通行感がすごい。
復讐中でもついコトブキちゃんを助けてしまい、ピザタキが襲われれば動揺し、一般人に被害が及ぶようなら身体を張ってでも止めてしまう。だからといって復讐はやめない。マスラダは、アユミを想い、サツガイを殺すことだけを考えて必死に生きて殺してを続けている。だからといって、自分勝手なただの殺戮者にはなれない。なりたいとも思っていないし、どうしたってそうはなれないのがマスラダ・カイなのだと思います。
コトブキちゃんとタキさんはそんな彼を理解しています。
「たとえば、あれがサツガイのニンジャならば、おれは」ニンジャスレイヤーは窓際で楽しげにスシ盆を囲む家族を横目で見た。コトブキは首を横に振る。「たとえばの話じゃありません。あの家族はサツガイのニンジャではない、それが結論です。そうでしょう」「……」ニンジャスレイヤーは渋々頷いた。
頭のおかしいニンジャ。あいつは必死だ。
ほら理解してる。本名も知らないのに、本質を理解してる……ふふふ(今ちょっとニヤついています)
そういう男が、無茶を承知で助けに来た仲間が目の前で墜落しそうになっている状況で、一人で受け身を取ろうとするかって話ですよ。絶対にしませんよ。
だっていうのにナラクさんは
(((ただ執着せよ……すべてが奪われたあの瞬間に……))
こればっかりです。まるでマスラダをわかっていません。
執着する/しないとかそういう問題じゃない気がするんですよね。執着してても、マスラダさんは「執着のしかた」を自分で選びたい人だと思うので……(おそらく理想形として、フジキドさん見ちゃったことも原因なんだと思う)。
マスラダさんって基本的に我が道しか行こうとしないんですよ。ナラクさんもそう。つまり、お互いに歩み寄る気が一切ない。
ナラクがマスラダを理解しようとしない限り、マスラダもナラクを理解しようという気が起きないのではないでしょうか。最低限のコミュニケーションは取るし、マスラダもフジキドの背中に追いつくまではナラクの力を頼らざるを得ないのでしょうが、乗っ取りの日は遠いだろうなぁ……。
(((儂が主、オヌシが従だマスラダ……AAARGH……)))
無理だと思いますよ。
◆
「言われた通りの物の筈だけど。これで大丈夫?」「ああ……そうだ」マスラダは中身を確かめた。そして微笑んだ。
アユミさんの前では微笑むマスラダ……。
今のマスラダは笑わない……この落差があまりにも悲しい。
アユミさんを咄嗟に庇ったところも、庇ったはずなのにアユミさんが殺されているのも悲しい。つらい。
『ウィア・スラッツ~』で「マルノウチスゴイタカイビル」に言及されたのは、フジキドの記憶が混じっていたわけではなかったんですね。マスラダ&アユミが被害に遭ったのがたまたま同じビルだったということですか。
てっきり「マルノウチスゴイタカイビル」はフジキドの妻子が殺された事件のときに崩壊したものだとばかり思いこんでいました。忍殺の施設ってエピソード終了と同時にだいたい特に理由もなく崩壊するので……女子高生収容所とかウキヨポリスとか野球場とか……。
◆
ところで「マルノウチスゴイタカイビル」の記述を探すために『ウィア・スラッツ~』♯9を読み返したらやばかった話をしてもいいですか。します。
オレはオレが白く焼けていくのを感じる。やり過ぎたんだ。世界が重なり過ぎている。ニンジャスレイヤー=サン……あいつ……ここは……ビルの中か……?展示準備……?
マスラダ・カイ時代の幸せな記憶と光景を、タキさんが、一瞬にせよ目撃していたんですよ……! 読み返すことで破壊力がヤバいことに。
公式。これが。これが公式の力。
「ニンジャスレイヤー=サン……あいつ…」という記述があります。よって、ここでのタキはマスラダと視界をリンクさせている(=マスラダと記憶を共有している)わけではなく、外部から「マスラダが展示準備をしている」風景を見ているのではないかと推察できます。だとしたらあの……、あの、もしかしてマスラダくんの笑顔とか見ちゃったのかなって思いついてしまいまして、私は、わたしは
◆
「ゲホッ!」マスラダは0と1の海水を肺から吐き出した。
「0と1の海水」めっちゃSFみが感じられる表現で気に入っています。
この隠者さんも浜辺も結局よくわかりませんでした。0と1を飛び散らせる……といえば「ザイバツ・シャドーギルド」のニーズヘグ氏がそうだったのを思い出します。ということはオヒガン?
◆
「鉱山の地図は無いのか」『あるワケねえ』タキが否定した。『クラバサ本社のサーバーをハッキングしろとでも?伝説のユカノあたりならホイホイとやるだろうが、オレは奥ゆかしいテンサイ・レベルだ。ニンジャのスーパーパワーでどうにかしろ』
伝説のユカノ、また出てきました。ユカノさんといえばドラゴン・ドージョーのユカノさんしか知らないんですけど、どうにも彼女と「伝説のハッカー」という称号が私の中でリンクしません。私の中でユカノさんってガラケーをポチポチゆっくり人差し指で操作している女の人、という勝手なイメージが(なぜか)あるんですが、もしユカノさんが本当に伝説のハッカーだったらあまりにも失礼なので謝っておきます。
◆
「……」不意に彼は、闇の奥に巨大なニンジャ存在感を感じ取った。それは死せるニンジャの化石だった。
いやいやいや。なにをいっているんですか。
◆
彼はかすかに声を聴き、眉根を寄せた。それは呑気な歌だった。空洞に接する陰から身を離し、彼は声のする方向へ向かって走り出した。
ここから「随分遠くから聞こえてきたぞ」につながるということは……これ、マスラダさんが思ってたより長く走ることになったんでしょうね…(笑)かわいいな……。
◆
マスラダさんをして正面から正直に真実を話させてしまうカヤシダ先生のいいひとパワーがすごい。先生ほんとうにいい人なので生きて会社に戻ってほしいです。
◇◇
♯9
ニンジャスレイヤーとコトブキは無事に合流を果たした。まもなく大空洞内ではオムラの戦闘社員vsアンデスの虎のゲリラ兵たちによる激しい戦いが始まり、「オムラウケテミロ」と「オオオオンニンジャ!」の連発に望月さんの心が虚無に満たされていくのだった。
◆
もう「オオオオンニンジャ」をやめてほしい。つらい。
◆
「あれは神ではない。ナガリ・ニンジャだ」
「何だと」ケツァルカトルは驚愕した。化石のニンジャの、秘された名であった。「俺にはわかる」ブラスハートは言った。「見えるのだ」
あ、はい。そうなんですか。
ニンジャの名前で「ドヤァ」「な、なんだってー」な会話をされてもついていけないので困ってしまいます。つらい。
◆
「ハイクを詠んでも構わんぞ」ブラスハートは低く言った。そして腕時計を見た。「いい頃合いだ」
「ハイクを詠む」くだり久しぶりに見ました。
ブラスハートは3度目のサツガイ・エンカウント待ちだったんですね。これで今までの行動にすべて説明がつきます。なるほどなぁ……。それにしてもクエスト達成の喜びが彼のニンジャ第六感を濁らせたとか、ブラスハートさんは本当にゲームをプレイしているかのようです。サツガイってほんと、なんなんでしょう。
既に彼はサツガイに二度目の接触を果たしている。本来祝福を受けるべきニンジャのもとへ参上し、祝福を奪ったのだ。
ふむふむ。サツガイは、ニンジャのいるところに現れる。そしてその場にいる最も強いニンジャに「祝福」を与える……。
今回祝福を与えられる予定のニンジャはケツァルカトルだったわけですね。統計によってそれを予測したブラスハートはサツガイが出現する直前にケツァルカトルを倒そうと大空洞へ降りてきた。
◆
ということは……マスラダが殺されたあの夜、マルノウチ・スゴイタカイビルにもまた、ニンジャがいたはずなのです。だとしたらそれは誰なのか。あの場にいたのは。
◆
その右目は大きく開かれ、瞳はセンコ花火めいてすぼまった。だが左目は悲哀を帯びて深かった。(ナラク)マスラダは内なるナラクに呼びかけた。ナラクはこの極限下にあって、屈辱と共にマスラダの指示を呑んだ。
左目の悲哀がとてもかなしい。
そしてナラクちゃんがマスラダくんをぜんぜん御しきれていないのがここでもわかります。ナラクちゃん大丈夫? スシ食べる?
◆
ケツァルカトルもブラスハートも共に爆発四散してしまいました……。今この場に残っているニンジャは……ニンジャスレイヤーだけじゃありませんか。サツガイの祝福がマスラダに無理やり与えられてしまったりするのでしょうか。
◇◇
♯10
大空洞に、黒いトリイと荒野が広がっていた。ブラスハートの狙いは、ケツァルカトルを殺害し、サツガイの祝福を掠め取ることにあったのだ。しかしブラスハートもまた、ニンジャスレイヤーのアンブッシュにより爆発四散した。残されたニンジャスレイヤーの前に、現れたのは……!
◆
ついにサツガイとご対面。待っていましたよ。第1シーズンラストにふさわしいクライマックスです。
スリケンが放たれる。八つの刃がランダムに飛び出した特異なスリケンである。キュン。キュン。キュン。
スリケンは過たず企業戦士を射抜き、殺してゆく。キュン。キュン。キュン。キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン。キュン。キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン。キュン。キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン。
サツガイのキュンキュンキュン描写怖い。でもこうやってキーボードでキュンキュンって打っているとついこれを
これを思い出してしまうのです。
胸キューン体験、キュンキュンキューン……
◆
はい! 話を戻します!
◆
アユミは流星めいた速度で射線に切り込み、飛来したサツガイのスリケンを弾き飛ばした。研ぎ澄まされたカラテだった。アユミのチョップはサツガイのスリケンを……
ああぁ……そんな気は、ちょっとそんな気はしてたんですよ……。してはいたんですけど、まさかそんなわけがって思って……。
アユミさん……。
これまでもマスラダさんの記憶の混濁や矛盾から、そうじゃないかと感じたことがあったんですよね。ええと、どこだったかな。感想をさかのぼると、『ストーム・イナ・ユノミ』時点で「アユミさんはニンジャでは?」と疑っていたみたいです。
マスラダさんの記憶もあやふやなようですし、サツガイと仇が別人だという線もあるんでしょうか。ニンジャならともかく、アユミさんもマスラダさんも一般人だったんですよね? それともマスラダさんが気がついていなかっただけで、実はアユミもニンジャになっていたとか、(『ストーム・イナ・ユノミ』♯2感想より)
けっこう確信に近い部分を突いていて悲しくなった。こんな妄想、当たらなくてもよかったのに……アユミさんを殺したのもサツガイじゃない可能性が高いっていうこの……そんなのつらいじゃないですか……忘れていた方がよかったのに、マスラダさん……
◆
彼はコトブキを振り返った。「任せて」 「わたし……」「大丈夫だ。君がひどい目に遭わないように、僕がうまくやるさ」
カヤシダ先生あまりにも善良すぎて感動しました。なんていい人なんだ。こんないい人が存在していていいんでしょうか。コトブキちゃんとは別れてしまいましたが、無事でいてほしいものです。
先生のこと忘れないよ!
◆
そしてタキさん。
「臨時ニュースドスエ」キモノをはだけたオイランキャスターに、タキは見入った。「フーン?」オイランはホットだった。サイバーサングラスに「大変な出来事」の蛍光文字が点滅する。続いて、「イヨオー!」という掛け声とともに、字幕テロップの表示。
バラエティ番組みたいなノリで臨時ニュースしないでほしい。
◆
ナスカが消失してしまいました……。ほら、だいたいエピソード終了後に大規模破壊が起きるじゃないですかこの世界……なぜマルノウチスゴイタカイビルだけ無事なんだろう、ムテキバリヤーでもあるのかな?
謎のコマーシャルに頭がおかしくなりそうなんですが、この怒りとも混乱ともつかない感情が完全にタキさんとシンクロしているのかと思うとふおぉ……!ってなりますし、このクソッタレコマーシャルが「 家 族 で 食卓を囲む風景」なところさぁ……。ねえ……。タキさんにこれを見せ続けるのさぁ…あまりにも残酷で最高ですよね……。
別の意味で頭がおかしくなりそうですよ。動揺しているタキさん、そうそうこれこれ! これが食べたかったの! ハハハ! やったぁ! って感じでけっこうなお点前でした。ありがとうございます。ふっ。ふふふ。しばらく動揺するがいいさ。ふふふ。
◆
マスラダくんは無事でした(あんまり心配してはいなかったけど)。シトカってどこかと調べたらアラスカなんですね。記憶はどこまで戻ったんでしょうか。コトブキちゃんとタキさんがそばにいないマスラダさんの精神状態がちょっと心配です。早く合流して。
コトブキちゃんもそんなに心配はしていないんですが、きっとどこかに飛ばされてしまっているんでしょうね。カヤシダ先生が無事かどうかだけが気がかりです。無事でありますように。
◆
はー……。
ついにシーズン1が終わってしまいました。11月末から読み始めて、およそ3か月。まさに「1シーズン」でしたね。
今後の読み方ですが、当初の方針どおり、このまま『NJRecalls』さんのアプリを上から順に読んでいく予定です。無料で読めるサブストーリーを読んでからの第2シーズン、という流れになりますね。
続けてガンガン読んでいきたい……ところなのですが、実は、私が唯一続けているスマホゲーム『あんさんぶるスターズ!』が3月9日に『あんさんぶるスターズ!!』へと大型アップデートされ新章が始まる予定でございまして……。推しの新スチルと新規ストーリーでしばらくは(精神的に)大変なことになってしまうと思われますので、そちらが少し落ち着いてからまた忍殺の続きに戻ってこようと思います。三毛縞斑をよろしくお願いします……
あっ、でも恒例の「休憩のたわごと+手書き感想ノート」記事だけは書こうと思っています(前回の記事はこちら)。(追記:書きました→■)
手書きノート、合計60枚を越えてしまいました。全部一つの記事に貼れるんでしょうかこの膨大なノート画像……頑張ってみます。
◆
ではでは、シーズン1の感想はここまで。
ここまで長らくのお付き合い、本当にありがとうございました!
次回の感想でまたお会いいたしましょう!
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次の感想はこちら。
番外編
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