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葉隠入門。死を身近に思ってみる。エネルギーは善、無気力は悪なり。
三島由紀夫の「葉隠入門」を読み返し、心に響いたところをメモしています。生きる指針として、先人の知恵を拝借したく。
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この本、冒頭から三島の筆致が熱いのです。たとえば。
これは自由を説いた書物なのである。
これは情熱を説いた書物なのである。
葉隠といえば「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」の一節があまりに有名です。この一節を「目的のためには死を厭わない」と解釈してしまうと、葉隠を誤解してしまうでしょう。
偏見や先入観を取り除いて、この書物を手に取れば、三島の言う自由と情熱を感じとれます。
エネルギーは善であり、無気力は悪である。
と三島は言い切ります。
葉隠の著者はしばしば、会社の分別くさい上司のような説教をします。周囲に気を配ってうまくやりなはれ、みたいなアレです。
かと思えば、
武勇は、我は日本一と大高慢にてなければならず
などと、さっき言ったことをすべてをぶちこわすようなことを述べるのです。
このように「葉隠」は矛盾に満ち、論点が一貫していません。しかし、全体としては、死を身近に置きながらも、ポジティブなエネルギーに満ちた行動哲学です。
エネルギーは善なのです。