【大内家の野望 新生】 第26話(最終話):天下統一戦 〜春日山城の戦い
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メールマガジン『ビジネス発想源 Special』にて約8年、400回にわたって連載し、AmazonのKindleストアで多く電子書籍化もされている、歴史から経営やマーケティングのヒントを学ぶビジネスコンテンツ『歴史発想源』。
今年7月に新発売となったコーエーテクモゲームスの歴史シミュレーションゲーム『信長の野望 新生』を使って、その第1章「大内二代篇」の状況から天下統一を目指す番外篇「大内家の野望 新生」を連載しています。
▼第26話(最終話):天下統一戦 〜春日山城の戦い
■全国統一を目指して、越前・越後を侵食
奥州の雄・伊達輝宗の伊達家を蝦夷地に追い詰めて破り、長らく同盟関係にあった長尾景虎の長尾家と敵対関係となって雌雄を決することになった、大内家新当主・大内義尊。夢の天下統一まであと一歩だ。
越前国(富山県)の防衛のために当主・長尾景虎が出兵して、城兵の少ない本拠地の春日山城(新潟県上越市)にも直接兵を向ける。長尾景虎を本城に張り付けさせる作戦だ。
能登半島から海路を通って、佐渡島の雑太城(新潟県佐渡市)にも攻撃開始。最終的にここに逃げ込まれると、海路が限られるので渋滞が起きてしまう。今のうちに奪っておくのだ。別働隊も回路から越後本土を狙う。
本城・春日山城、さらに背後の佐渡島も直接狙われたことで、長尾軍は各地の兵が右往左往して分散してしまい、どの城も一気に防御力が低下する。大内軍はさらに怒濤の進軍。
大友義鎮隊、島津歳久隊が津川城(新潟県阿賀町)を攻め落とし……
織田信長隊、武田信玄隊によって葛尾城(長野県坂城町)も陥落。
大内義尊の本隊が坂戸城(新潟県南魚沼市)を攻め落とした。これで関東から越後へと抜けるルートも確保できた。
坂戸城の降将の中に、「歴史発想源」の「北奥戦乱篇」の主人公である九戸政実の姿が。北条家との対決の時に大内軍から出奔したが、こんなところにいたのか。出戻りだが喜んで迎え入れる。一緒に天下を統一しよう。
天下統一は目前だが、温泉掘削や教会建設など、できる内政はどんどん進めていこう。豊かな国を作るのだ。
東から、南から、大内軍はこれまでに大きくした軍勢を全国各地から呼び寄せて越後国を侵食していく。新発田城(新潟県新発田市)はかなりの堅城だが、そこを攻めつつも別ルートから領土を次々に制圧して余力を削いでいく。
西からの猛攻に耐え抜いている富山城(富山県富山市)も、数万の軍勢で一気に強攻。
3000の城兵で耐え抜いていた富山城も、総勢6万以上の軍勢の前にはなす術もなく、陥落。
小早川隆景ら智将たちが、各郡で一揆を発生させて、その鎮圧のために諸城の兵を城から出すという謀略をかけまくる。おかげで諸城の兵力はどんどん低下していき、大内軍は諸城を次々に手に入れていく。
吉川元春隊、松平元康隊らが新発田城をついに落とし……
武田信玄隊、明智光秀隊らが飯山城(長野県飯山市)も落とす。
能登半島から海路で佐渡島に攻めていた鍋島直茂隊が雑太城を落とし……
富山城を制した柴田勝家隊、吉弘鎮理隊らがそのまま東征して魚津城(富山県魚津市)も制覇。
島津歳久隊、甲斐宗運隊、鶴姫隊らが栃尾城(新潟県長岡市)を落とし……
弘中方明隊、明石全登隊らが栃尾城(新潟県柏崎市)を攻め落とした。怒濤の落城ラッシュで、長尾家に残された城はあと2城となった。最後まで気を抜かずに行くぞ。
そんな頃に、降った伊達輝宗の孫・伊達政宗が元服を迎えて大内家に仲間入り。政務96、統率94の名将だ。もう天下統一が目前で活躍の場はそんなになさそうだけど、よろしくね。
■「越後の龍」長尾景虎との最終決戦
長尾家に残った城は、本城である春日山城(新潟県上越市)と、東の与板城(新潟県長岡市)の2つのみ、東西から攻め寄せる大内軍は続々と2城に集結していく。
東の最後の防衛拠点となった与板城も、関東や奥州から結集した大内軍の大軍勢の前に陥落。
与板城では多くの長尾家の家臣が、春日山城に逃げきれずに投降してきた。その中にはお船の姿も。NHK大河ドラマ『天地人』で常盤貴子が演じた、直江兼続の妻だ。
ついに残すは春日山城のみとなったが、長尾景虎の下にはまだまだ勇将や智将がたくさん支えている。油断はできないぞ。
武勇で見ると、戦国最強の107の当主・長尾景虎を筆頭に、97の柿崎景家、92の鬼小島弥太郎、90の水野勝成、84の甘粕景持、82の伊藤一刀斎、さらには近畿から度々大内軍の前に立ちはだかってきた柳生宗巌もいる。
知略で見ても、長尾景虎も90の知略を持ち、94の真田幸隆、86の樋口兼続(後の直江兼続)、85の斎藤朝信などがいる。だが、いかに智将勇将が揃っていようが、兵力差は歴然。必ず攻め落とす。
最後の城だ。大内軍は所領全てから兵を集めて春日山城へと攻め込ませる。20万以上の大軍勢が北陸へと集まり、列を成す。
そして、最後の最後に春日山城を攻め落としてくれたのは、我らが若殿・大内義尊の本軍であった。
大内義尊「我らの旗を高く揚げよ! 敵の本拠・春日山城は我らの手中にあり!」。
今、二代にわたる長き天下取りの戦いが終わった。
春日山城は落ち、長尾家の重臣たち71名もことごとく大内家の傘下に加わることになった。後の直江兼続である樋口兼続もまた、その一人である。だが……
当主の長尾景虎だけは「まだとても、そのような心持ちには…」という理由で、投降してくれなかった。確かに悪いのは、ずっと恭順してくれてたのに天下統一のために手を切った我らのほうなのだ。ごめんね。命は取らなかったので、きっと放浪するのだろう。いつかまた手を取り合おう。
こうして、足利幕府の権力失墜以来、長きにわたって群雄割拠の時代となっていた日本を、西国の雄・大内家が統一することができた。史実では悲運の道を歩む大内家だが、この世界ではついに平和な世を築き上げたのだ。
関白や征夷大将軍などの三職も固辞し続けてきた大内義尊だが、天下を統一したことで朝廷に征夷大将軍に任じられたようで、幕府の開設も認められたという。「大内家の平和」と呼ばれる時代となり、貿易立国となって世界市場にも君臨した旨が、エンディングで語られた。
というわけで、大内家は見事に天下統一を達成!
26話の長きにわたって連載してきた「大内家の野望 新生」、いかがだっただろうか。またどこかで、名将たちと出会える日まで。
(完)
【武将名鑑】(26)長尾景虎(ながお かげとら)
後の上杉謙信。越後守護の上杉家に仕える守護代の長尾家の四男として生まれるも、その軍才で長尾家の当主となって北陸一帯を平定。「越後の龍」「軍神」と評され、「甲斐の虎」武田信玄と何度も川中島で戦う。関東管領上杉家からその職と当主の座を譲られ、上杉謙信となる。
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