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子どもは、大人よりもずっと逃げ道がない
以前、参加した書籍イベントで言っていたことを、不意に思い出す。その書籍イベントは、簡単に言ってしまうと「自分は自分。そのことをしっかり守れるようにしましょうね」という内容だった。書籍もそうなのだけれど、大人向けというよりは、逃げ道の少ない中高生に向けられた本だから、そういった内容のイベントだった。著者の方と近しい本を書かれた方、2人のトークイベントで、この話を高校生の私に聞かせてあげたいなと思っていた。
子どもは、大人よりもずっと逃げ道がない。
この言葉は書籍の中にも登場し、トークイベントでも繰り返し話された。
そう。ほんとうにそうなのだ。学校、それもクラスという40人ぽっちの小さな世界のすべてで、日中はそこにいないといけない。制服で街をふらふらしていたら(私が高校生をしていた地元だと)、すぐに白い目で見られる。「え……なんでここにいるの? 学校は?」という具合だ。制服を着ているのに、日中学校に行っていないと即座に”変な子”として認識される。しかし、クラスにいたらいたでどうしようもなく息苦しいのだ。うまく友達ができないというのもそうだし、クラス内でいい格好しておかないといけないという自分で作った仮面が窮屈なのもそうだし、うまく合わせないといけないという脅迫概念も当てはまっていた。
子どもには「みんな仲良くしましょう」とすぐに言う。大人には、無理なのに。
そう。「子ども」というだけで壁がないように思われる。ごっちゃにされたクラスの中で、みんなが仲良くできると思っている。というか、クラス全体が仲良くしてくれると、先生の運営がしやすいのだということが大人になってわかった。仲良くしてほしいのも、クラスがまとまってほしいのも、大人の都合だと当時はまったくわからなかった。
自分を守れるのは自分しかいない。それはある意味、救いの言葉に近かった。中高生のときの私は、自分を守ってくれるのは親だと思っていたし、先生だと思っていた。もっと早くこの本が書かれて、もっと早くこのイベントに私を連れてきたかった。
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