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人生のピークは遅れ始めている
このまま少子高齢が進んだあとの社会のことを少し考えてみる。
電車の「優先席」は、若者に向けられた席になったりするのかな。妊婦、体調のすぐれない方、持病をお持ちの方、ちょっと疲れた若者、どうぞお座りください的な。それか、人がいっぱい座れるイスが「優先席」になるのかな。鉄道会社の新しいキャンペーンとして、優先席増量キャンペーン! なんてのがあったら少し面白いな。なんてキャンペーンだ! って思いそうだけど。
今は「シニア割」が当たり前だけど、シニアばかりになったら売り上げが立たなくなる可能性があるから「ヤング割」「青年割」「生産人口割」とかができたらいいな。若いうちは安く済んで、大人になればなるほど金額があがるという、字面だけなら至極真っ当そうな話。
って、帰りの電車の中で妄想していたけれど、案外遠い将来の話じゃないのかもしれないと思い直す。すぐ、そうなる可能性だってある。
そうなると、私の「おばあちゃん」年齢は何歳になるんだろう。90歳ぐらいにならないとおばあちゃんにならないのかもしれない、と考える。
今や、藤木直人も松嶋菜々子も木村拓哉も、あんなに若々しい見た目で50歳だ。なんか、人間としてのピークもどんどんずれていってるような気がする。20代、30代なんて、たぶん、まだまだ発展途上国なのかもしれない。
それまでは登って登って、成功も失敗も経験して、積み重ねて、50歳でようやく人生のピークがやってくような感じ。いいな、それ。そしたら60歳だって全然「シニア」年齢じゃない。私のおばあちゃんは今、70歳付近にいるけれど、それも部落の中ではかなり若くて元気なほうだという。
でも、そうだよね、と電車の中で思い直す。
今や日本人女性の平均寿命は世界でも類を見ない87歳。もちろん平均だからなんとも言えないけれど、それでも日本人であるから生き永らえる可能性は高い。
人生のピークは遅れ始めている。
その希望を私はたぶん、いっぱい享受できるんじゃないかと思う。「まだまだ若造ですよ~」なんて言って、「教えてください、先輩方」と後輩になれる嬉しさ。
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