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ちょっとのことが、原動力になる
自分の似顔絵を描いてもらった。まさしく今の私の状況、ちょっとばたばたとして焦っている私をとても可愛く描いてもらった。
嬉しいなあ。もうすぐ、このイラストと、会社に入って書いた始めての文章が公開される。楽しみだなあ。
と、完全に納品完了のような雰囲気を出しているけれど、実際は全然だ……。見栄を張ってしまった……。まさに執筆真っ只中で、なんなら難航している。いや、もはや難破かもしれない……。
とにかくピンチなのだ。
自分でこれを書きたいです、とテーマを決めて書き始めたはずだった。せっせと書いて初稿を提出したあと、私は編集プロデューサーに呼び出された。
「これはさ、誰に向けて書いたの?」
「えっと……自分と同じような人に……」
言葉がどんどん小さくなるのは、ちゃんと考えていなかったからで、一体なにが自分と同じような人なのか、言葉にしていなかったからだ。
「これを読んで読者にどうなってもらいたいの?」
「それは、ちょっとくすっと笑ってもらいたいです。明日、頑張るちょっとした活力になってほしいです」
ほら、考えていることはすらすらと出てくる。
「でも、今のままだとすごい1人よがりだよね。読んでて、気持ちばっかりで重かったよ」
ずーん。
言葉の重しが自分にのしかかる。そう言ってくれた編集プロデューサーともう一度、自分の書いたものを一緒に見る。
……どっからどうみても、恥ずかしいぐらいに自分の気持ちを並べ立てて、垂れ流していただけだった。
もちろん書いてる間の私はそんなことなくて、「とにかくこれを仕上げるぞ! むん!」みたいな感じで、ぱちぱちぱちぱちタイピングの手を進めた。はずだった。
いや、というか原因はそれだと思い至った。
欠いてしまったのだ、客観性を。
置いていってしまったのだ、読者を。
自分だけと対話してしまったのだ。
私が書きたいと思ったテーマだったから、私の手は進んだ。だけど、一方でそれは読者を置き去りにする文章でもあった。
見直して、今、まさに修正稿を書いているところなのだ。
だけど。まさか、途端に筆が重くなった。
私が書きたいことと、読者読んでほしいこと。私が伝えたいことと、読者に伝わってほしいこと。
その差が今、どうにも埋められない。手が止まるたび、怖くなる。文章を書くのが怖くなる。
とまあ、そんなふうに思ってたところで、似顔絵が書かれたイラストをもらったのだ。ああ、これと一緒に私の言葉が乗るのかあ。
そう思うとわくわくできた。ばたばたとした可愛い私がイラストの中にいる。早くこれを、みんなに見せたい。
明日までに、GOがもらえるようにもう一度。
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