土日を4日間にするために、1日12時間生活をしていた友達の話
仕事からの帰り道、「今日はnoteに何を書こうかなあ」と悩む時間がけっこう楽しい。
あっちの話はどうかな。いや、こっちの話を今日は書きたいかも。ああでも、やっぱりそっちの話のがいいな。
そんなふうにひとつ、またひとつと湧き出た話題の中で、自分がその日に書きたいこと、伝えられることを選んでゆく。そういう時間を設けるようになったからか、よく、むかしのことを思い出すようになった。
思い出したむかしの話の中で、特段意味の分からなかった話を今日は書きたいと思う。
「たなべちゃんは、休みの日って好き?」
そう聞いたのは、大の友達であるアカネちゃんだった。
大の友達になったのは、今日まで続くそのあとの時間があったから。大人になった今では、ふと思い出したように連絡をとり、久しぶり感のないまま会話ができる。私の親友の定義にぴたりとはまる大切な人だ。
そんな彼女との出会いたて、中学生のときの話。
「うん、好きだよ」
「ならさ、お休みの日がもっと増えたらいいな〜って思わない?」
「え、思う! もっと増えてほしいな〜って日曜日になるたんびに思うよ!」
私がそう答えると、アカネちゃんはにんまりと満足そうに笑ってこう言った。
「土日の2日間しかないお休みを、4日間にすることできるよ!」
意味がわからなかった。
このときの私は、むふむふ、と得意げに笑うアカネちゃんを怖いとすら思っていた。今の私なら、「ああ、また始まった」と思えるけれど、このときはまだ出会いたて。無理もない。アカネちゃんのことは、うわずみ部分でしか理解していなかった。
「ええっと……つまりどういうことなんだろう……?」
「あのね、1日は24時間でしょ? それを半分にしたらいいんだよ」
全然意味がわからなかった。
怖いよりも、大丈夫かなこの子、と思い始めていた。
「ええっと……つまり……?」
「だから、1日を12時間として活動するんだよ!
土曜日が始まった0時〜6時は寝てるでしょ。そしたら朝6時に起きて、お昼の12時まで活動したら第一土曜日が終わり。12時〜夕方の6時まで寝て、夕方6時に起きると第二土曜日の始まり。それで0時になったら寝て、6時に起きると第一日曜日の始まりなんだよ」
聞いたとて、意味がわからなかった。何を言ってるんだろうこの子は。
それでもアカネちゃんは、いかに1日12時間生活、4日間休みがいいかをツラツラと話してくれた。なにせ彼女は、2ヶ月ぐらいこの4日間休み生活をしているのだという。
余計、意味がわからなくなった。ヘンテコな子だと思った。
けっきょく、たんまり話を聞いたけど4日間休みは実行しなかった。
そしてそのうち、アカネちゃんが「やっぱ1日は24時間に限る」と言ったのを聞いて、ふつうの時間軸に戻ってきたんだなあ、と思った。
この話を思い出したのをきっかけに、今、いくつかアカネちゃんのヘンテコな話を思い出している。
私の大の友達で、親友で、きっと一生分かり合えないヘンテコ友達。
またきっと、アカネちゃんのヘンテコな話を書きたいと思っている。
”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。