いちご加工品が苦手だった
昔からなぜか、いちご加工品が苦手だった。いちご加工品というのは、たとえば、いちご味のチョコとか。いちごアイスとか、いちごミルクとか、いちごのクリームとか。いちごジャムも、いちご加工品に該当する。こういう、いちご味の〇〇がなぜか苦手だった。なんだろう。不味いわけじゃないけど、美味しいとも思えないのだよね。だから、いちごは絶対的に生の、もぎとったタイプのいちごが好きだった。
だがしかし。春になると、世の中にはこうしたいちご加工品が溢れかえる。確かに、いちごって旬のフルーツだから、製菓企業からしたらイチゴを混ぜ込んだり、練り込んだり、粒々を入れたりして旬を買ってほしいよね。わかる。そういう気持ちもわからなくない。だって私は大人だから。
そして、街もいちご加工品で溢れかえる。たとえばファストフードではイチゴをたっぷりのせたパフェやデザートが登場するし、いちごのシェイクやいちごミルクといったドリンクも登場する。けど、私はそのどれもが苦手だ。パフェもできれば普通の白い生クリームに、バニラアイスに、トッピングで生のいちごがのっている紅白パフェにしてほしいななんて、嬉しそうにイチゴパフェを食べる友達を見ていて思う。
こうして書いていると、イチゴがいかに汎用性高いフルーツなのかということがわかる。生でもOK、チョコにもできる、アイスにも、ドリンクにも、クリームにも、ジャムにだってできる。
そう、ジャムにだってできるのがすごいよな。もちろんイチゴ意外にも汎用性の高いフルーツはあるかもしれないけれど、ジャムにできるのはいちごかブルーベリーぐらいだもの(それは、私が他のフルーツのジャムを知らなさすぎるだけ?)。
そういえば、ジブリとか、オシャレでオーガニックなおばあちゃんが出るアニメやドラマだと、彼女たちはなぜか決まってイチゴのジャムを作る。大きな鍋でたくさんのイチゴを砂糖と一緒に、ゆっくりことこと煮込む。そして、消毒されたビンに大量に作って、主人公とパンに塗って食べる。なぜか、そんな光景が不思議と浮かんでくるイチゴジャム。