ぐずぐずの空から落ちる光
ここ最近、雨がぐずぐずと降っている。洗濯物干したいから晴れろ~と思うのに、干したら干したで雨が降りそうだし、と思えば降らないしで、なんなんだ。お天気がご機嫌斜めで難しい。
で、今。書いてみて、「ぐずぐず」っていい表現だなと思った。
失恋するかもしれない、と思い始めた時期の「ぐずぐず」感を少しだけ思い出した。好きなのに空回りしてるあの感じ。好きなのに、嫌われないように言いたい言葉を飲み込むあの感じ。自分にも、相手にもぐずぐずしてる。
「この一言、間違ってるかな。間違ってないかな」と、細かすぎて誰にも言えなくて自分一人で悩むあの感じ。懐かしい。あったな、そんな時期も。思い出していたら、あの頃の私が可愛く見えてきた。
赤ちゃんの「ぐずぐず」は、私に子供がまだおらずでわからないから、自分の感覚でいうとそれに近い。
あとは、あれだね。欲しかった服にそのときは悩んだけど、「やっぱり欲しい!」と思って次の日に行ったら売り切れてしまったあの瞬間とか。
物理的にも「ぐずぐず」していたから売れてしまったんだけれど、そうじゃなくて「売れてしまいましたよ」と言われた瞬間のしょんぼりとかガックリが混ざったようなぐずぐず感。伝わるかな。
まさに天気もそんな感じだ。
しょんぼりと言われればそうだし、ガックリにも見える。天気自体もどちらかをはかりかねているよう。かと思ったらちょっとだけ晴れ間を覗かせてみたり。
まあ、人間と同じだよね。
常に機嫌よくいたいけどちょっとそれはまだまだ難しい。天気だってそう。機嫌よく晴れていたいけど、そんなの難しい。雨を降らせたいときも、曇りでぐずぐずしたときもある。うんうん、わかる。確かにね。
だから、ちょっとだけ覗いた晴れ間からこぼれた光が部屋に落ちると「あ」と思う。「晴れてる」
外はだんだんと寒くなってきて、今日の最高気温は20℃いかないくらい。光なのに、冷たい。10分ぐらい経つと、空がすぐに雲に覆われてしまうから一瞬だけこぼれる光。
冬が、降りそうだ。