大人になるための、ラバーバンドからの卒業
昨日「月曜から夜更かし」で、卒業したこと、という街頭アンケートを行っていた。さすが「月曜から夜更かし」というか、ほんとうになんでこんなに不思議な人たちを引き当てるんだろうという街中の人がたくさんいた。例えば、犬の毛の収集を卒業した人。犬が大好きで飼いたかったかれど、家族から反対されていて、近所の犬やすれ違った犬を撫でさせてもらったときに(意図的に抜くわけじゃなくて)抜けた毛をノートに貼っていたという人。どうして卒業したのかというと、ハムスターを飼い始めたからだという。「犬じゃないですけど」スタッフの人が聞くと、「毛があるから」と答えていた。毛で、よかったんだ。
他にも、彼氏から卒業した人が出ていた。いや、正確には卒業というか、強制退学だった。初めて付き合った彼氏でフィリピン人だったそうなのだけど、あるとき「8万円貸して」と言われて、迷ったものの8万円を貸したという彼女。するとまさか、貸した直後から連絡がとれなくなってしまった。「8万円を貸して側にいてほしかった」と彼女は言った。ちなみにフィリピンの物価は日本の10分の1だから、実質80万円を渡して彼氏は卒業してしまったのだ。卒業のテーマにふさわしい、なんとも悲しい話だ。
それを見ていて、私は最近何を卒業したかなあと思った。夜更かしも遅起きも相変わらずだし、お菓子は辞められないどころか食べまくっているし、メイク用品も増えているし、スキンケア用品も増えている。何かを辞めたり、減らしたりは全然していない。思いつかん、と思っていたけれどよく考えたら1つだけあった。
ラバーバンドだ。私は邦楽ロックが大好きで、バンドマンのグッズの定番といえばラバーバンドだった。街中でたまに、リュックにラバーバンドをつけている人を見かけることがあるけれど、私もまさにそんな感じだった。ラバーバンドが多ければ多いほどファンの証で、推している証拠だった。しかし、ラバーバンドは、悲しいほど使い道がない。社会人になってからようやく、ライブに行ってもラバーバンドを買うことがなくなった。ラバーバンドからの卒業。大人になったのだ。