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魚の骨が喉の奥に刺さったので、2本指を喉奥に突っ込んだ
中学生のとき、お風呂で「ふんふん~♪」と鼻歌を歌っていたときにあることに気がついた。
なんか……よだれを飲み込む瞬間にぴりっと喉が痛くなるな!? と。
最初は、よくある「喉がいがいがする」という現象かと思った。もしかして、このまま風邪を引いちゃったりして、熱が上がっちゃったりして、明日の朝には関節が痛くなっちゃったりして、学校休めっちゃったりして!? の妄想が2秒ぐらいで脳内を駆けた。
少しの期待をよせて、もう一度「ごくん」とよだれを飲み込んでみる。
ちくっと痛い。
…………ちくっと痛い?
いがいがとはどこか違う痛みの種類に「はて?」と思う。なんだろう、この痛みは。さらにもう一度「ごくん」と喉を鳴らす。ちくちくっとする。
「え、ナニコレ」
そこでピンときたものがあった。
……魚の骨だ。それも鮭の骨だ。
なぜならさっき食べた、今日の夜ご飯が鮭だったからだ。絶対そうだ。魚の骨な気がする。
でも、魚の骨ってこんなにちゃんと喉に刺さってることってあるのだろうか。漫画でもなく、作られたドラマでもなく、現実でこれほどちくちくと痛むことがあるのだろうか。
のぼせそうになってお風呂から出て、お母さんに言ってみた。
「なんか、喉に魚の骨が刺さってる気がする」
「あら。水飲んでみたら?」
確かに、水で押し流してやろう作戦ね。お母さんから渡されたコップ一杯の水を、心持ちぐいっと飲み流す。
……!!
「待って、残ってるわ。
滝が流れ落ちる途中にある、ドラマとかで滝つぼに落ちた人が掴むような枝みたいな感じで、上からの水の勢いを割るように刺さってる」
「その例え、全然わかんない」お母さんは答えた。
「もう、喉の奥に手を突っ込んで取ったら?」
なるほど、強行作戦ね。ちくちくちくちく、ずっと痛むから覚悟を決めて人差し指と中指の2本を喉の奥に誘う。
……!!
「ぅおえ」
えづきを耐えつつ喉奥に指を向かわせると、つんと何かに触った。
……!!
ある!! 確かに骨が、喉の奥にある!!!
ただ、そこからが長かった。なんとか2本指で、入る限界まで指を伸ばし入れて骨を掴みとらんとする。ちょっとだけ指にかすっているのになかなか取れない。指が攣りそうになって、それでも何度もぐいぐいと指を喉に入れてた。
我ながらけっこう頑張ったと思う。
結果、なんとか5センチ程度の骨を取り除くことができた!
その瞬間を今の今まで忘れていたのに、noteを書くにあたってふと思い出して、あのスッキリさを超える瞬間はこれまでなかったかもしれないと思った。
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