髪の毛を切らなかった3つの理由
高校を卒業した7年前の3月に、私は腰まであったロングヘアから、一気にショートヘアにした。
それは、ずっとショートにしたいと思っていたけれど、我慢していたからだった。
高校に入って、「大学生になるまで髪は切らない」と決めたのには3つ理由があった。
ひとつ目は、部活。私は弓道部に入っていて、弓道部は袴を着て部活動をする。そして「袴といえば、ロングのハーフアップでしょ!」と私は思っていた。信じていた。
それは当時、私が大ハマりしていた漫画、青木琴美先生の「僕の初恋を君に捧ぐ」が多いに影響している。主人公の種田繭(たねだ まゆ)ちゃんは弓道部で、袴+ロングのハーフアップで弓を引く。
その姿がなんとも言えないぐらい上品で綺麗で、「これじゃん……」と私は思っていた。種田繭(たねだ まゆ)ちゃんになりたいがゆえに、ロングになることを決めた。単純で可愛い私。
2つ目の理由も、これまた単純で可愛いのだけれど、当時の私はガッキーがむちゃくちゃ好きだった。私がガッキーを好きになったのは、世の中で初めて映画化された携帯小説「恋空」が好きだったから。
知ってます? 「恋空」。というか、携帯小説って単語すら懐かしくないですか。
携帯小説というのは、親指でぽちぽちしていたガラパゴス携帯時代に流行した、ガラパゴス携帯で書く小説のこと。このときは「魔法のiらんど」という携帯小説を書いて投稿できたり、それを自由に読めるサイトがあった。その界隈で一世を風靡し、小説家、映画化、ドラマ化までしたのが「恋空」だった。
新垣結衣さん、三浦春馬さんが高校生役をしていた時代。
見て、ガッキー。ロングヘアでしょ。私はガッキーにもなりたかった。
そして3つ目の理由はこれまでとは違って、願掛けだった。私の高校は進学校だったから、高校3年生になったら大学受験が待っていた。大学に受かるまで切らない、との想いも込めていた。
とはいえ、先の2つの理由が大きいから3つ目は「ついで」的な理由だった。でも、部活動も終わって、ガッキー熱も冷めた頃に残った理由は3つ目の願掛けでもある。
最終的に残った理由で髪を伸ばし続け、高校卒業後の進路が決まった3月にばっさりショートにした。
先日、肩まで伸びていた髪をショートにし直し、3月という季節柄もあってそんなことを思い出した。
”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。