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行儀の悪いことが好き。行儀が悪いから好き。

行儀の悪いことが好きだ。行儀が悪いから好きなのか、と言われれば、それも一理あると思う。

歩きながら食べる、肉まん、コロッケ、アイス……最高だ。よく、「セックスが終わったあとの気怠い感じのまま夏の夜にコンビニ行って、ソーダ味のアイスを食べるのが~」みたいな若手バンドマンの歌詞があるけれど(偏見)、実際はアイスよりも、肉まんとか、ピザまんとか、コロッケとか、唐揚げ棒とかのほうがエネルギーつくし、空いたお腹にガツンとくるのでは? と私は思う。実際、そっちのほうが美味しいし。

食べ歩き? それも最高だ。旅行の醍醐味といえば食べ歩きでしょう。箱根や草津温泉などの有名温泉街は基本的に食べ歩きがあるし、京都の嵐山だって二年坂三年坂だって食べ歩きができるし。子どものとき「食べている途中で立たないの!」「座って食べて!」と𠮟られていたのに、なぜか大人になると行儀の悪い一番星を積極的にさせようとする矛盾。これだから大人ってずるいのだ。串ものや、小さな紙袋に入ったものにパクつきながらまた次の美味しいものへ向かっていくなんて、食べ歩きロードは欲望の行進なのかと思う。

他にも、冷房ガンガンの部屋でぬくぬくの布団にくるまるのとか、お皿に盛らずフライパンのままご飯をたべるとか、部屋をわざと真っ暗闇にして映画風にドラマを見るとか、ポテトチップスのコンソメ味とのりしお味の両方をパーティー開けして交互に食べるとか、購入直後のケーキをフィルムをくるっとはずしてワンハンドで食べるとか。全部全部行儀が悪い。行儀が悪いのに、最高じゃないか。

どうして小さい頃、そういう行儀が悪いのにしちゃえば最高なことで、あんなに怒られていたんだろうと思う。「座りなさい」「綺麗に食べなさい」「目が悪くなるからやめなさい」「お金の無駄」、なのにどれも最高で、どれも私の幸福度を確かにあげてくれる。

行儀ってなんだろう。私が小さい頃、守ろうとしていた行儀ってなんだろう。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。