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先ずはじめに。20200122

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手術を経て退院した祖母の介助に泊まり掛けで出向いた。一人で生活していることとやることは変わらないが、一緒にショパンを聞いたりしただけでこれだけ心的距離が近まるのかと驚いた。 以前「会いたいと思ったことなんてない」などと抜かしたこともあったが、今後はそんなことはなくなるだろう。

最近、陰鬱だと感じることが減った。もちろん、一切のストレスがないわけではない。せっかくの春休みなのに思いっきり遊べないこと、行動を制限されている遣る瀬無さは毎日感じている。けれども、不安に駆られて突然息苦しくなったり急に泣き出してしまうことはなくなった。 小さな進歩と安堵と喜び。

祖父母の私の扱いはずっと変わらない。「よく食べるねえ」「早くお風呂入っちゃいなさい」「早く寝ないとじゃないの?」「おやつ食べる?お紅茶は?」 この家にいる限り私は何歳になっても彼らにとっては“子供”であり、可愛くて小さい愛らしい孫娘なのだ。 まだまだこの時間を愛おしく慈しみたい。

お正月帰省をした(対策は万全にね)。 会うたびに耳が遠くなり、白髪が増え、口元が緩んでいく祖父母を見ていると「人間にも終わりが来るんだ」という現実を突き付けられているような気がして胸が苦しい。祖父母の健康自体より、死と老いへの恐怖が先走っていることに気付いてしまったのだった。

最近彼に「俺もしーちゃんも激おもだよ」と言われたのが軽くショックだった。何よりその事実を自覚していない自分が嫌だった。「どこらへんが?」「んー家帰ったらしーちゃんのことが好きで1人で泣いちゃうところとか」。 私の激おも部分は一体どこからどこまでのことを言うんだろうか。不安になる。

「次いつ会えるかも分からないから」と数週間後に迫った誕生日プレゼントを急に祖父から手渡された。懐かしいフェリックスのポチ袋の中には祖父の手書きの短い手紙に金一封。「レアもので今じゃ付加価値も着くでしょ」と笑いながらお金というある意味安易な贈り物に申し訳なさそうな祖母。泣きそうだ。

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