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内向型がさらに力を発揮するために ~社会との関わり方の4つのヒント~

わたしは、これまで様々な適性検査を受けてきました。どんな検査でも必ず共通しているは、「内向型」だということ。若い頃から、社内の飲み会や休日のイベントがあると、なんとなく気乗りしないことが多く、どちらかというと休みは一人でいたいな〜と思う方でした。「柿沼は付き合い悪い」などと言わると、なんとなく罪悪感を感じ、自分自身のコンプレックスになっていたように感じます。

そんな、内向型の性格。その特性がどこからくるのか調べたくなり、下記の本を参考にしつつ、これまでの経験も踏まえて整理してみました。


内向型を決める要素

内向型、外向型を決める要素は、外からの刺激の感度と言われています。外からの刺激に高い反応を示すのが内向型で、低反応なのが外向型。つまり、外からの刺激に鈍感な外向型は、外に興味を持ち易く、様々なことにアクティブになり初対面の人と会うことも苦にならないことが多いようです。

一方、内向型は外からの刺激に敏感なので、自分の内側に世界に関心を持ち易く、思索にふける時間が多い傾向にあります。重要だと思えれば、積極的に外の世界と関わりを持つものの、普段はより心地良い空間を身を置きたがるのが特徴です。

二種類の内向型

適性検査で内向型と出たからといって、完全に内向型とは言えません。そこには、グラデーションがあります。外向的な要素を持つ内向型も存在します。ここでは、分かり易く二種類に分けて説明したいと思います。

内向型Ⅰ】
できるだけ一人で考える時間を増やして、そこから得た考察によって自分なりの世界観を膨らませていく。
内向型Ⅱ】
外と接点を持ちながら、そこからの情報を積極的に吸収し、自分の考えを膨らませていく。

内向型Ⅱは、外との接点を指向している点で、やや外向的と言えるかもしれませんが、内向型Ⅰ、Ⅱともに共通していることは、自分の世界観を大切にしているということです。

外向型が重視されるようになった背景

反対意見のある方もいらっしゃると思いますが、今の世の中は、どちらかというと外向的な性格特性が「良し」とされているのではないでしょうか。企業の新卒採用の求める人物像を見ても、「コミュニケーシ力」、「チャレンジ精神」、「協調性」など、外向型を連想させるワードが並び、勿論企業に入ってもその行動特性は求められます。社会に入ると、内向的な人は相対的に生き難さを感じていることが多いかもしれません。

外向型偏重になった理由には歴史的背景があります。19世紀まで世界の国々の多くは農業社会でした。人々の多くは小さなコミュニティにおり、昔ながらの顔なじみと生活を共にしていました。そこでは、思慮深く、礼儀正しさといった、内面の充実が求められていました。

時代は進み、20世紀になると、産業革命を経て工業化が急速に進みます。都市に人口が集中するようになり、赤の他人と仕事するケースが多くなります。そうなると、仕事を上手く進めるために、周りの人に自分がどう振舞うかが関心事となり、必然的に外向的な性格が求められるようになります。そして、いまだその風潮は根強く残っていると考えます。

無理なく外向的に振舞うには?

Amazonの創業者のジェフ・ベソスは、有名な適性検査、MBTIでは内向型だったようです。それでも彼は、ボードメンバーの中で一番外向的に振舞い、強いリーダーシップを発揮してAmazonを世界的なIT企業に成長させました。おそらく彼なりの外の世界を動かす工夫があったように思います。

外向性が求められる世の中では、内向な人でも外向的に振舞うことが求められらます。わたしは、これまでのコーチング経験などから内向型の人が、無理なく外向的に振舞うためには、幾つかのやり方があると考えており、今回はそのやり方を4つ紹介します。

①専門性を高める
得意分野を見出してそれを磨いていくことは、内向型の人にとっては最も有効なアプローチです。どんな小さな分野でも、所属している組織で第一人者になれば、その分野で頼られ、周囲と関わり易くなるでしょう。また、自分の仕事で得意分野を持てれば、より自信を持って進められます。

②対人場面を工夫する
自分自身にとってよりストレスの少ない人数規模や場面を把握しておくと良い思います。例えば、少人数の場面を積極的に作り、自分のペースで話ができる空間を作るのも手です。話すのが苦手であれば、質問・傾聴力をつけその力を発揮していくことで、互いの理解を深まっていくでしょう。

③徹底的に準備する
会議や商談の前に準備を徹底的にすることも大切です。丸腰で会議に参加し、思うように主張できずに自信を無くしてしまう内向型の方をよくみます。そうならためにも、議論の流れを想定し、自身が発言する内容を考えておくと良いでしょう。

④エネルギー消耗を避ける
外向型は人と会うと元気がでる場合が多いようですが、内向型は、一人の時間を持つことで自身のエネルギーを充填させます。重要と感じない集まりは極力避けたり、誘いも一度断ったら次は出るようにするなどして調節し、より大事な対人場面に力を蓄えておくようにすることも大切です。

まとめ

内向的な人は、成長に向けて独自の観点が求められる組織に、新たな視座を与える貴重な存在になり得ると思います。例えば、外向的な人が、内向的な人の様々な独自のアイディアを吸い上げ、全体の方向性としてまとめていく。そんなコラボレーションが出来ていくとより強い組織になっていくのはないでしょうか。

また、自分の考えをアウトプットし、相手のフィードバックを受けながら、またブラッシュアップしていく。そのような過程は、多くの内向型の人にとってやりがいを与えてくれるはずです。

リモートワークの普及で働き方改革が進み、内向的な強みを最大限に活かせる機会はますます増えくはずです。是非、チャンスを逃さず、様々場面で自分を試してみましょう!

【参考文献】
・スーザン・ケイン. 内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力. 講談社. 2013/5/14
・ブラッド・ストーン. ジェフ・ベゾス 果てなき野望. 日経BP.  2014/1/8