マザーのマザーはどこから来たの?
スコビー菌もコンブチャ菌も勘違いを招く"愛称"で、正しい呼び方ではありません。もちろん、あだ名として呼ぶことは自由なのですが、コンブチャへの勘違いを助長する種になりますので、私はあまり好きな呼び方ではないです。
スコビーのことをマザーと呼ぶことも同様です。先日高活性コンブチャ「基本の作り方」講座内容で、ご受講生様がスコビーのことをマザーと呼んでいたので、「では、マザーはどこから来たと思う?」と質問したところ「他のマザー?」と。…絶対おかしいねという空気が流れて二人で大笑い。
他のマザーはどこから来たのか?全てのマザーはどこから来たのか?
それは、セルロースという代謝産物を作るタイプの酢酸菌です。酢酸菌が活動する際に副産物として生成されるもの、それがセルロース、つまりスコビーです。ということは・・・スコビーって、マザーどころかむしろチャイルド。
よく「スコビーでコンブチャを作る」と認識している方がいらっしゃいますが、これはまさに勘違いの賜物。スコビーはあくまでも食物繊維なので、そこにいる微生物が元気かどうか?多いかどうか?バランスが良いかどうか?はまた別の話です。
(長く放置したスコビーホテルから一枚スコビーを取ってコンブチャを作ろうと思うと、これまで定期的に入れ替えなどを行っていたコンブチャよりも随分と発酵が遅く、味もまとまらない感じ。数ヶ月繰り返し作ってようやくコンブチャの本来の美味しさに到達します。つまり、コンブチャ作りにおいて最も大切なのは、酢酸菌の副産物であるスコビーではなく、酢酸菌以外にも微生物がバランスよく生きている原液の方なのです。)
このように、一つの勘違いが別の勘違いを招きます。できるだけ正確な知識を得られれば、点と点がどんどん線になってゆき、何も難しくないんだなって腹落ちします。
この世は絶妙なバランスで成り立っているわけですが、それはコンブチャの瓶の中でも同じことが言えます。
スコビーはそもそも微生物そのものではなく酢酸菌の代謝産物なので、スコビーをマザーと考えること、スコビーからコンブチャを作ろうとすること、どちらも認識を改める必要があり、そうでないと永遠に自家製のお酢を作ることになってしまいます。もし、自分のコンブチャが酸っぱいと自覚があるならば、今一度作り方を見直してみましょう。もちろん、高活性コンブチャ「基本の作り方」のご受講はおすすめです。