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木をうえ、 花をうえ
「木をうえ、花をうえ、道をつくりなさい。
それはあなたの道。いつか愛するものが集う道となるわ。」
ある朝、花をもとめにきた客がわたしにそう告げた。
生花しか扱ったことがなかった。だから、何もかも手探りで始めた。
最初に植えた柊は苗木のときから驚くほど鋭い葉をもっていた。
周りの草を抜いてやるたびに、わたしの手には傷ができ、血が滲んだ。
次に桜を植えた。
小さな苗からは、甘い春の香りが
「木をうえ、花をうえ、道をつくりなさい。
それはあなたの道。いつか愛するものが集う道となるわ。」
ある朝、花をもとめにきた客がわたしにそう告げた。
生花しか扱ったことがなかった。だから、何もかも手探りで始めた。
最初に植えた柊は苗木のときから驚くほど鋭い葉をもっていた。
周りの草を抜いてやるたびに、わたしの手には傷ができ、血が滲んだ。
次に桜を植えた。
小さな苗からは、甘い春の香りが