帯状疱疹との一年

一年前の今日から、私の帯状疱疹との戦いが始まった。
熟睡できないほどの右脇腹の不快感が我慢できず、もしやと疑った私は、大慌てでまだ開いている皮膚科を探した。でも、どこも早々と年末休診に入っている。せめて痛み止めの薬でも買っておこうかと飛び込んだ薬局のお兄さんのおかげで、喜多見駅そばのちいさな内科クリニックに滑り込んだ。
多分、帯状疱疹ですと訴える私に、とても慎重な高齢の院長先生は「普通なら発疹が出てから処方するのですが……」と言いながら、もし帯状疱疹ではなかったとしても、身体に与える悪い影響はないからと、長々と抗ウイルス薬の説明をする。はい、わかっています。ほんとうは注射してもらいたいくらい。
あと30分で、クリニックの診療時間終は終了、正月明けの5日まで休診になる。2種類の薬を処方してもらい、クリニックを教えてくれた薬局で丁寧にお礼を言い……、最悪な年末になった。薬を飲めば眠りにつける、でも、すぐ痛みにゆり起こされる。そして31日、大晦日の朝、青紫色の発疹が右腹に広がった。
正月の能登地震も、その次の日の羽田空港の事故も、つけっぱなしのテレビから流れる音を聞きながら、寝たり起きたり……。階下では、息子が地元の友人と鍋をつついている。本来なら、そこに私も座って笑っていたはずだ。
1年たってもまだ同じ場所の痛み、違和感は消えない。もう痛み止めのお世話にはなってないけれど、常に腫れぼったい腹部は、痛くなったり、痛がゆくなったり……、他の病気かもなんて不安に思うこともあるけれど、元気であることは間違いない。
こんな私の話を聞いて、あっちの友人、コッチの知人から、「ワクチン打ったわ、高かったけど」という報告が、今もある。
今年もまた、一段階、いや二段階も衰えた。仕方が無いけれど、帯状疱疹とのこんなお付き合いはいつまで続くのか。気のせいか、昨年の始まりの時のような腹部の重苦しさが増してきたような……。


いいなと思ったら応援しよう!