田中美津さん
ネットのニュースで田中美津さんの訃報を知り、81歳、にショックを受けた。私だって、あと5、6年でその歳だ。
さっそく松井さんから電話が入った。「通夜に参列しようと思うのだけれど、お花を持っていった方がいいかしら・・・」「私より3歳年上の田中美津さん、3歳年下の上野さん・・・」「この前、やはり誰かの通夜で樋口恵子さんにもお目にかかったけれど、車椅子ですっかり弱っていて・・・」「あー、みんなお歳だ」「あの時『何を恐れる』を撮っておいてよかったわー」などなど、話が尽きない。
Wife50周年のドキュメンタリーが完成した後、田中喜美子さんを神楽坂の老舗店に誘って、松井監督を正式に紹介した。上野千寿子さん中心の学者が語るフェミニズムではなく、Wifeもその末席に並ぶような普通の女・主婦たちの意識変化の足跡、背景を映像に残しておきたいと、力説。要は、そのスポンサーとしてお金を出してもらいたい、という生々しい話だった。50周年に関する資金は、不肖「チームwife」がすべてを用立てた。でもそれ以上は無理だ。金銭的な問題だけでなく、人脈も田中さんにすがるしかない。下心見え見えだとは思うが、それ以上に歴史を残すという意義に訴えたのだ。
ああ~、まざまざと思い出す。それから、上野さんに会い、樋口さんに会い・・・、名だたるフェミニストとは全く関わりがなかった私は、松井さんの脇で最初から最後まで、上映会とその後の懇談会などにもすべてに付き合った。本音を言えば、相当無理をしながら・・・。
とはいえ、私の人生の中で、ちよっとは誇れるいい仕事をしたのだと思う。
書き残しておかなくちゃいけないかな。