「栃尾揚げ」をゲット

日差しは強いけれど、風が涼しい。久しぶりに農協を覗いてみようと家を出たら、私の目の前でUターンした自転車が止まった。「玄関から出てくる姿を見かけたから…」「もう大丈夫ですか?」
声をかけてくれたのは、ここいらの大地主一族、息子の幼馴染みのMくんだった。骨折したときも帯状疱疹のときも、息子に言われたからかもしれないが、心配して時々寄ってくれる。「買物はないですか~」と。心強いではないか…。50前の独身男ではあるが、感覚はしょっちゅうわが家に出入りしていたおとなしい小学生の男の子だ。数分間の立ち話…。
この夏の農協は、実に寂しい。野菜たちのできが悪くて種類も少ない。農家さんは本当に大変だ。
買う物はないけれど、最近リニューアルした駅前の小田急OXにも、ぶらり寄り道。エスカレーター脇の見逃してしまいそうなコーナーで、新潟の「栃尾揚げ」が並んでいるのを見つけて足が止まった。新潟県長岡市の名産、びっくりするほどでかい厚揚げだ。6月に新潟に行ったとき、お土産に買いたかったのだが見つけられなかった。ぶ厚い揚げに具を挟んで表面をカリッと焼く、新潟の飲み屋ではたいてい出てくるらしい。ネギ味噌や椎茸の煮物、ふき味噌、はさんである具はさまざま。迷うけれど、あまりにも大きいからあれこれは買えない。無難なところでフキ味噌を購入してみる。
だいぶ歩いた帰り道、世田ヶ谷通りの点滅しはじめた信号を小走りで渡りきった。「絶対に走らない」「横断歩道は無理に渡らない」「電車やバスも次を待つ」…、この頃肝に銘じているのだが、今日は、気付いたときには渡ってしまっていたのだ。セーフ! 大丈夫、元気だ。


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