nogawa「人生の短さについて」を語る
人生の短さについて
著者:セネカ
訳者:中澤務
光文社古典新訳文庫
初版:2017/3/20
著者:セネカについて
1B.C.ー65A.D.
ローマ帝国の属州ヒスパニア、バエティアのコルドバに生まれる。ネロの教育係に。皇帝就任後は政治的補佐をするがのちに辞表。隠遁生活に入ってから精力的な執筆活動を。その後、ネロ暗殺の陰謀が発覚。陰謀に加担した嫌疑で自殺を命じられ自ら命を絶った。
訳者:中澤務について
1965年生まれ。古代ギリシャ哲学を中心に哲学・倫理学の諸問題を幅広く研究する。
作品について
この本はセネカの妻パウリナの親近者パウリヌスに宛てに綴られたもの。責任ある仕事についているパウリヌスはとても多忙であった。セネカは言う。多忙は人間から有意味な時間を奪い人生を浪費させ短くする。そのため、パウリヌスに職から身を引き閑暇な生活を送るよう勧めた。
なぜ人生は短いのか
答えは単純で人間が時間を浪費しているからだとセネカは言う。永遠に生きられるかのように生きるから、自分のもろさに気づかないから、過ぎた時間を気に留めないから、時間は目に見えないからなど原因をいくつか述べている。
閑暇な生活が大切と説いている。
閑暇な生活とは?
英知を手にするために時間を使う生活。古典を読み哲学者と対話することである。というのも過去は神聖で特別である。人間世界のあらゆる偶然性を超越し運命の支配がおよばないのが過去である。
感想
過去に対する考え方が少し変わった。過ぎ去ったことだからではなく、逆に何人たりとも犯すことのできない神聖なものというのは面白い。私は普段人生が長く感じることが多いがそれについても述べている。古典や哲学者というとカタイが、本に触れる一つの利点として、時を超えいろいろな時代に行けると、小学校時代の教師が言っていたがセネカと当たらずも遠からずだったのだろう。しかしあの教師がまた持論を述べるためでもなくただただウンチクを自慢げに話してくるようならこの本を引用して今度こそ言い返したい。