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EQ、レジリエンスとスキルの体得を邪魔する「Assumed Constraints」

最初に問いかけ

前回、いま求められているスキルはなにか?2030年に求められるスキルがなにか?について投稿をしました。

タイトル画にも載せていますが、まずひとつ問いかけです。
以下の画像、矢印の矢の部分を除いた横棒は、どちらが長いと思いますか?

答え合わせは後ほどしたいと思います。

前回もふれた世界経済フォーラムの調査が示す2016年から2030年までのスキルトレンドで、継続して登場するスキルに触れていきます。よく登場する重要なスキルにEQおよびレジリエンスがあります。
IQやロジカルシンキングは馴染みがあるかと思いますが日本企業にいるとなかなか意識する機会が少ない二つかと思います。

精神的な成熟を測るEQ(Emotional Quotient)という指標

心理学者であるダニエル・ゴールマンが90年代に提唱した考えで、以下の引用の通り、5つの構成要素からなるという考えです。

“EQが高いレベルにあると、組織メンバーの情報共有、信頼感、組織学習が成果に結びつきやすくなり、また、戦略の実効性の高い環境が組織に生まれる。換言すれば、経営管理者が最善の組織環境の形成を求めるのであれば、EQに根ざしたリーダーシップへの自己変革が求められることになる。”

https://dhbr.diamond.jp/articles/-/5419

レジリエンス、「回復力」と「複雑な変化への適応能力」


レジリエンスは一般的には「回復力」のことを指し、体調や精神的なストレスから立ち直る力のことをいいます。
ヘルスケアデータを測るOura Ringでもレジリエンスを計測する項目があります。こちらは同僚の役員のnoteで詳細に解説がされていますので、ご参照ください。

"3年以上使っているOura RingやFitbitを活用し、健康管理を少しずつ見直しました。特に「レジリエンス」(逆境からの回復力や適応力)を意識し、無理なく取り組める範囲で行動を工夫しています。"

https://note.com/re_innovations/n/n9a629752becc

Appleのヘルスケアアプリでも「心の状態」を聞いており、瞑想の時間やApple Watch経由で日光下の時間を計測し、心の安定・レジリエンスにアプローチをしています。
先週、「Apple Health Study」というスタンフォード大学との共同研究プロジェクトも発表されました。

このように身体的なレジリエンス(回復力)も重要な指標になっていますし、さらにビジネスシーンではより広くレジリエンスを「複雑な変化への適応能力」と捉えられてきています。

コーチでありベストセラー作家のロン・カルッチは生々しくリーダーがビジネスシーンでレジリエンスを高める4つの戦略を紹介しています。

●自分のスキルを正当に評価する 
●八つ当たりはできるだけしない 
●非現実的な期待(ビジネス目標)を先送りにせず、押し戻す 
●「競争疲れ」に陥ったときは、原点に立ち返る
"自分をよく知るリーダーは、自分にどのようなスキルがあって何が欠けているか、自分がどのようなフラストレーションを抱えているか、そして、自分にとって核となる原則は何かを明確に把握している。そのようなリーダーは、逆境と変化をくぐり抜けるのに必要なレジリエンスの蓄えを維持して、成功する可能性が高い。"

https://dhbr.diamond.jp/articles/-/5055

このようにEQやレジリエンスのような心のスキルを意識して日頃の仕事に向き合うこと、そのスキルや意識がいままでもこれからも変わらず世界中の企業から求められることであるということです。

今後も、世界経済フォーラムの調査が示すスキルトレンドに登場したスキルについて話していこうと思います。

しかしその前提として、「どうやったら自分にそんなスキルが付けられるのだろう」と悩むことがあると思います。とくに英語のようにテストがあるわけでもない、EQやレジリエンスなど柔らかいスキルの場合はなおさらです。

スキルの体得を邪魔する「Assumed Constraints」

いずれにしても、本を読み、そこに書かれていることを、失敗を恐れず実践してみる以外に方法はないのです。
しかし、特に日本企業の社員と共にこのようなスキルの習得と向き合っていると、どうしても身につかない・越えられない壁のようなものを感じることがあります。
その根源はなんなのでしょう。

ごく個人的な見解ですが、それは「Assumed Constraints(思い込みの制約)」ではないかと思っています。

最初に、示した以下の画像です。
矢印をみて、どちらが長いと思いますか?
小さくつぶやいてみてください。

もしかしたら多くの人が「同じ!」と答えたのではと思います。
(同じ!と答えなかった人は中々疑い深い人ですね)

正解は、「上の方が長い」です。

我々は、「知ってるこれ、同じに見えないけど、同じってやつでしょ。」と経験による思い込みからものを判断してしまいます。

過去の経験に基づく判断は、無駄のない意思決定をする上では大事なことですが、ときに大きな足かせになります。

私がいた外資企業のリーダー研修でも最初のテーマはこの「Assumed Constraints(思い込みの制約)」でした。

常に自分が知っていることの尺度・経験に基づいて物事を見てしまう。自分の能力の強みも弱みも伸び代も直視しないで、学べば、挑戦すれば自分も世界も変えられることを思い込みで排除していないか。
それがスキル体得の大きな第一歩ではないかなと思うのです。

次回もお楽しみに!

2025年、ワクワクしながら頭も口もフル回転で邁進していきましょう!

本日はここまで。スキを押してくださる方、フォローしてくださる方、本当にうれしいです。またTwitterやFBでシェア頂けると大変喜びます。


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