活動記録#4 フードテック研究
未知を食べる、未来を描く。
こんにちは!
サイバーエージェント WHOWHAT局、通称WW(ダブダブ)です!
今回はWHOWHAT局の組織としての取り組み、「マーケ日本一プロジェクト」の中から、フードテック研究についてご紹介です!
▶そもそも、なぜフードテックを研究するのか
「マーケ日本一プロジェクト」の目標の一つは、
「今後10年で日常的になっているであろう未来の産業を理解する」
ことです。
その中でも衣食住の変化は、消費者の価値観に大きく影響を与えるもの。そういった背景から、今注目されているフードテック/培養肉市場を第一弾として研究することに決定しました。
培養肉は、食肉代替食品(=代替肉)の一種であり、肉に代替する新たなタンパク源として期待されています。しかしながら、培養肉が広く浸透していくためには、もちろん技術の変化/進化も関わりますが、本当に人々に受け入れられるか?という消費者変化の側面に大きな議論ポイントがあります。
そういった成長途上期にある市場だからこそ、研究のしがいがあるというもの。市場創造のありさまを間近で観測するべく、シンガポールでの実地調査を行いました!
▶シンガポール実地調査に至った経緯
近年急速な都市化と経済成長によって注目されるシンガポール。実は培養肉の先進国でもあり、2020年から実際にスーパーやレストランで培養肉が提供され始め、普及していると言われています。
しかし、オンラインでシンガポール在住の方にインタビューをしてみると、インターネット上の記事で書かれているほど、人々の生活には浸透していなさそうであることがわかりました。
培養肉先進国と言われるシンガポールの実態は、いったいどうなっているのか?解明するためには、培養肉を食べた人・売っている人に直接話を聞きに行く必要があります。
デスクリサーチだけでない、生の体験を重視するマーケ日本一プロジェクトのポリシーに乗っ取り、2名の若手メンバーがシンガポールへと向かいました。
▶シンガポールでの研究活動
まずは培養肉を提供しているレストランに訪問。実際に普段から培養肉を使った料理を提供している方にインタビューを実施しました。
実際に販売されている培養肉や料理を見せていただきながら、レストランの現状や培養肉メニューの開発背景などを深掘りしていきます。
レストランで培養肉メニューを注文するのは、研究者やリサーチャーなどの培養肉に関心がある人が中心であり、大規模工場が稼働していないことも相まって、週に5食程度の提供に留まっているそう。
しかし、肉食のほとんどを輸入に頼っているシンガポールにとって培養肉は食料自給率の観点からも注目の存在。政府主導で取り組みが進んでおり、衛生・安全管理レベルがアジア諸国の中でも高いシンガポールだからこそ、今後安定した供給が見込まれているとのことでした!
2日目は、現地在住の日本人2名の方にインタビュー。
培養肉を食べてみた感想や食べるに至った経緯、今後の普及の可能性など様々な角度から、シンガポールでの培養肉の実態に迫りました。
実際に食べてみた感想としては、「見た目は本物の肉と遜色ないものの、味と食感はまだまだ及ばない」とのこと。今後広まっていくためには、味自体の進化が不可欠ということが伺えます。
また、宗教的な観点も大きな壁の1つ。特にアジア圏の宗教は肉食を避ける傾向にあり、「培養肉」をどのように扱うかが決まっていないため、広まりづらい状況があるようでした。
しかしながら、逆に言えば培養肉は「まったく新しい、宗教規則や教えに左右されづらい肉」でもあります。多民族国家であっても、同じテーブルで食卓を囲み、民族間の距離を縮める可能性を秘めている、という新しい見解を得ることができました!
最終日は、シンガポール在住のCyberAgent Strategyの方々と食事会を行い、親交を深めつつ、旅を締めくくりました。
▶ワークショップ
シンガポールに行って終わり、ではありません。現地で得た調査結果を元にWW内でワークショップを実施。外部のクリエイターや専門化の方も交え、動物倫理・SFなど様々な観点からフードテックや培養肉に関する理解を深めました。
▶おわりに
「培養肉先進国」と言われるシンガポールといえど、普及・浸透においては味などの機能面、宗教などの社会・心情面など、まだ解決すべき問題は多くあります。
しかし、食料自給率や異文化融和など多様な面での可能性を秘めており、引き続き動向を追っていきたい分野であることは確かです。将来的な展望や普及していくための戦略について、更に考えを深めていきたいと思います!
それでは、お読みいただきありがとうございました!
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