ふうみじん

違いや魅力を発見するのが好き|ブランディングの仕事 |アート・読書・海外旅行などから得た気づきを自由に書いています

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最近の記事

37年の孤独 ~ゴッホが描いた心の風景

ゴッホの絵画は、国内外の美術館でいくつも見てきました。彼は37歳で亡くなりますが、最期の3年間に描かれた絵は、どの作品からも凄いパワーを感じます。何とも言えない強い"何か"を。私にはこれが一体何なのかが分かりませんでした。 今回、原田マハのゴッホ本を読んでみて、その"何か"が彼の強烈な「孤独感」からくるものだと感じました。母親からも愛されず、人付き合いも下手で、世間からも認められない。彼の作品に感じる得体の知れないエネルギーは「孤独が生み出す心の叫び」なのかも知れません。

    • この地球は誰のもの?-暗幕のゲルニカ

      『楽園のカンヴァス』を読了した後、その勢いで『暗幕のゲルニカ』を読みました。内容はもちろん面白かったのですが、いろいろと考えさせられることもあったので、noteに書いてみたいと思います。 物語は、ナチスドイツがスペインのゲルニカに無差別爆撃をしたことへの非難として、ピカソが描いた大作「ゲルニカ」を題材としています。 反戦の象徴である「ゲルニカ」の所有を巡る争いやアメリカがイラクに対する報復攻撃を発表した時に「ゲルニカ」に暗幕がかけられた事件など、史実をもとにしたフィクショ

      • 「楽園のカンヴァス」という夢をみた

        ルソーの絵に興味を持ったことがきっかけで 原田マハの「楽園のカンヴァス」に出会い、 寝る前に少しだけ読むつもりが、気がつけば朝。 小説を一晩で読み終えたのは久しぶりでした。 物語のあらすじは アンリ・ルソーの最後の傑作「夢」に酷似した作品「夢をみた」を所有する大物コレクターが、ルソーの研究者である2人を自宅に招き、この作品の真贋(本物か偽物か)を判定させるというストーリー。 なぜ、一晩で一気に読み終えられたのか この小説が面白いと感じたポイントを3つにまとめてみようと思い

        • 生きている時間の名作 ~佐伯祐三

          先日、大阪中之島美術館の「TRIO展」に行きました。パリ・東京・大阪の3つの美術館が所蔵する110名・150点のモダンアートのコレクションで、ピカソ、バスキア、草間彌生など、国内外の有名アーティストの作品が並んでいました。 私は順番に鑑賞していく中で、1枚の絵の前で足が止まりました。それが佐伯祐三の「レストラン(オテル・デュ・マルシェ)」という作品です。 パリにある綺麗でもない普通のレストランを描いたものですが、キャンバスから溢れ出るエネルギーをガツンと受けて、しばらく動