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上海で折り鶴をプレゼントした
私は今上海に住んで一年になる。
夫に帯同してきたいわゆる駐在妻である。
そして、マンションのお隣さんは中国人の家族が住んでいる。お隣さんの家族は、夫婦と娘ちゃん2人と、奥さんのお母さんの5人暮らし。
その方たちとはエレベーターであったら挨拶する程度で、程よい距離感のご近所さんだった。
そんな中、夫とお隣さんが帰宅する途中に鉢合わせになり、意気投合して帰ってきた。
(ここは話すと少々長くなるので一旦端折る)
そこから少しずつお隣さんとの距離が近付いていき、ついに一緒に外でご飯を食べるまでの仲になった。
外でご飯を食べてからはさらに距離が縮まり、その翌日にトントンと玄関を叩かれ、「今日は娘の誕生日だから家にケーキ食べに来なよ」と誘われるまでになる。(縮まりすぎた)
この時は2人で野球のユニフォームを着て、日ハムの試合観戦をしていたタイミングだったから驚いた。
こんな貴重なお誘いに私は新庄のユニフォームを、夫は万波のユニフォームを着たまま参加することになった。
こんなのこともあろうかとプレゼントを用意しておいた。
いや、こんなこともあろうとは思っていなかったのだが、一緒に外でご飯を食べると思った娘ちゃん2人のために買っておいたプレゼントがあったのだ。その当日には来なかったため渡せなかっただけで、ちょうどラッピングしたプレゼントが2つあった。
買っておいて良かった!私は天才か!と思いながらプレゼントを持って行った。
7歳と3歳と聞いていたので、色々と悩んだ結果、かわいいシールとかわいい色合いの折り紙を包んであった。
早速ケーキタイムにお邪魔して、一緒にバースデーソングでお祝いした。
ちなみに全く聞いたことのない中国のバースデーソングはいつ「おめでとうー!」と言うべきか分からなかったのだが、夫と2人でニコニコ手拍子をして、ワンテンポ遅れて「生日快乐!(誕生日おめでとう!)」と伝えることができた。
バースデーソングは各国に色々あるらしい。
王冠を付けた7歳のお姉ちゃんが、お母さんが切ったケーキを私たちに渡してくれた。
今日はお姉ちゃんの誕生日だったみたいだ。
そして私たちから娘ちゃん2人にプレゼントを渡した。
プレゼントしたシールは中国で有名なかわいいキャラクターだったらしく喜んでくれた。
かわいい色合い折り紙については、あまり遊んだことがないみたいだったので、私が手本に折り紙を折ることにした。
やっぱり1番折り慣れているのは折り鶴なので、鶴を作ることにした。
鶴を折っている間、7歳の娘さんはじーっと私の折る様子を見てくれていた。そしてその娘さんに折り鶴をプレゼントした。
出来上がった鶴を見て、両親の2人は「これは見たことがある!日本の文化の平和の象徴だね」と言ってくれた。
私たちのできる限りの中国語と翻訳機を使って楽しい会話をすることができた。そして、北海道の野球チームの監督は新庄であるという情報も伝えることができた。
唐突に訪れた短いお宅訪問だったが、とても楽しい時間を過ごすことができた。
これは上海在住の日本人の1人である私の、ご近所付き合いの話ではあるが、これは振り返ってみると、小さな平和活動の一面でもあるのかもしれないと思った。
鶴を折ったことで平和について考える瞬間があった。
私のできることはとても小さなことであるけれど、一瞬でも平和について考えるきっかけを作れたことは大きいなことだなと思った。
国が違うと言語や文化が違って、歴史の見方も異なる。
だけど私たちが今を生きて、過去から学んで、未来に繋がる行動をすることができるのって素晴らしいことだと思った。
今ネットやテレビでの情報だけを鵜呑みにせずに自分で考えること、
過去の歴史の見方を多面的に知ること、
未来の平和のために何ができるか考えること。
そして言語の壁を超えていくこと。
言語の壁を超えていけるのはとても面白い。
私は温かな中国人がいることを知っているし、
お隣の娘さんも将来、昔隣に住んでた日本人が遊びに来ていたなと少しでも覚えてくれていたらなんと素晴らしいことか。
平和について考えて、少しでも明るい未来を信じる生き方をこれからもしていきたい、そんなことを思った出来事だった。