詩/虹
ひとりぼっち。
あめがつめたくてかなしくて。
ないてみたって、あまおとにながれてとどかない。
一人ぼっち。
雨が寂しくて悲しくて。
空が泣いている以上、泣くことすら出来やしない。
ひとりぼっち。
あめはやんだけどかなしくて。
ないてみたって、かぜにながれてとどかない。
一人ぼっち。
雨は止んだけど悲しくて。
大人になった以上、やっぱり泣くことが出来やしない。
ぽたり。
あたまにおちたしずく。
おどろいて、そらをみあげた。
ぽたり。
頭に落ちた空の忘れ物。
驚いて、顔を上げた。
きらきら。
くものきれまにはしがかかる。
あのはしのさきにはなにがあるのかな。
きらきら。
太陽が照らす虹の端。
あまりに綺麗で目の前が滲む。
だれかがないている。
誰かがないている。
ひとりぼっち。
にじのはし、わたれない。
だってだれかがないている。
一人ぼっち。
虹の端、辿り着く。
だって誰かがないている。
どうしたの。
めのまえのなきむしにこえがかけられない。
だってわたしもないている。
どうしたの。
目の前でないている君に言葉が見つからない。
だって僕も泣いている。
ふたりきり。
ちょっとだけせかいがあったかい。
だからわたしはないている。
二人きり。
震えるような温もりが伝わる。
だから僕はさらに泣く。
のばされたてがわたしのあたまをなでる
伸ばされた腕で僕の頬は包まれる
はじめまして。
あなたはだあれ、なきむしさん。
はじめまして。
君は誰だい、なきむしさん。
ふたりきり。
やさしさってとてもあったかい。
このきもちはなんてよぶんだろう。
2人きり。
愛しさってとても暖かい。
この気持ちを君にどうやって伝えればいいのだろう。
ありがとう。
やっぱりこえはかけられない。
だってわたしはないている。
ありがとう。
言葉になんか出来やしない。
だって僕は泣いている。
だからわたしはよりそって、しあわせをいのるよ。
きょうも、あしたも、あさっても。
ずっとずっとそばにいる。
だから僕は寄り添って、幸せを探そう。
今日も、明日も、明後日も。
ずっとずっと離れない。
ひとりぼっち。
だけど、ほら、そらをみて。
いつかきっとあめはやむはずだから。
一人ぼっち。
辛くても、顔を上げてみて。
大丈夫、必ず君を待っている人がいる。