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「静かな生活」で知った映画「案内人」
大江健三郎さんの連作短編集「静かな生活」をゆっくり読んでいます。三つ目の作品「案内人」(ストーカー)まで読み終えたところです。旧ソビエト連邦の映画監督タルコフスキー氏の映画「案内人」の感想を小説家Kの子供たちが述べていく内容になっています。ですが、前提知識として、タルコフスキー監督の「案内人」も、タルコフスキー監督の代表作「惑星ソラリス」も「ノスタルジア」も知りませんでした。今回初めて知りました。
小説の中では、案内人に連れられて、男三人でZONEという立ち入り禁止の隕石が落下したエリアに向かっていくが、最終的には辿りつけず、戻ってくる…という、どこか哲学的というか幻想的な映画のようです。こういう作品世界があるということ自体初めて知りました。
小説の中では、映画の中で、超能力を持っている(テルキネシス)であろう少女が出てきて、何かを暗示するシーンが出てくることについて、登場人物間で議論が交わされる下りが出てきます。私はこの映画を観たわけではないので、you tubeで調べてみたのですが、東西冷戦下に、東側の国で、こんな難解でスピリチュアルな映画が撮られたことにただただ驚愕しました。思ったことは、どれだけ閉鎖的な世界にいようと、しっかりした作品を創作できれば、後世にもちゃんと伝わるということでしょうか。
こういった超能力的な特殊能力を持った方々は、優れた能力の反面、実はものすごく生活しづらいのかもしれませんね。そんなことを考えてしまいました。「静かな生活」、残り三話になりましたが、続きもゆったり読んでいきたいと思いますし、タルコフスキー監督の作品世界も触れてみたいと思いました。
今回もブログもお読みいただき、ありがとうございます。