夏の思い出
2月に20歳になってから 初めて迎えた夏
大して知りもしないお酒の味を分かったかのように飲み尽くす
苦い泡と冷たいビール
まだまだ子どもの舌に この味が分かるわけ無かった
喉越しが
コクが
取ってつけたような言葉で嗜む
夏の暑い日差しの下では 大人はビールを呑むらしい
大人
先人が 美味しい と伝えるからそんなフリをしているだけなんじゃないか
本当は誰もこの味の良さなんて分かってないんじゃないか
いや 分かっているように振る舞うのが大人なのか
そんな子供の匂いを残したまま 缶を開ける
#夏の思い出